葬儀の受付は誰に頼むべきか、また受付を頼まれた場合はどのように対応すればよいのか、突然の出来事に直面して悩まれる方は多いでしょう。
葬儀受付は、参列者を最初に迎える重要な役割であり、直系以外の親族に依頼するのが一般的です。しかし、頼める親族がいない場合や、受付係として何をすべきか分からない場合など、様々な疑問が生じるものです。
本記事では、葬儀受付に関する疑問を解決するために役立つ情報をご紹介します:
- 受付を依頼する相手の選び方と頼み方
- 受付での適切な挨拶と言葉遣いの具体例
- 受付業務の流れと実際の対応方法
- 受付を務める際の服装やマナーの注意点
葬儀という大切な場で、遺族の代理として参列者を迎える受付の役割は非常に重要です。受付を頼む側も、頼まれる側も参考になる情報を、実践的かつ具体的にまとめました。
葬儀の受付を依頼するのは誰に?

葬儀の受付係を誰に頼むべきか悩むことは多いものです。一般的な慣習や代替案、適切な依頼方法について解説します。
直系以外の親族が基本
葬儀の受付は、直系ではない親族に当たる人が行うのが一般的です。
直系親族とは、父祖から子孫へ直通する関係にある親族のことで、具体的には以下の方々を指します:
- 直系血族:父母と子、祖父母と孫など(六親等内)
- 直系姻族:配偶者の父母・祖父母など(三親等内)
正確な線引きは難しいですが、一般的には家族でなく親戚と呼ぶ範囲の方に受付を依頼することが多いでしょう。
受付を依頼された人は、基本的にずっと受付の場所にいることになり、葬儀へ参列することができません。このような理由から、喪主や故人と特に近しい関係にある直系家族以外の親族が受付を担当するのが適しています。
女性でも問題なく受付業務を行うことができます。「女性はNG」という認識がある場合は、特定の地域の慣習によるものであり、一般的には性別による制限はありません。
親族に頼めない場合の代替案
受付の世話役・手伝いを頼める親族がいない場合や、都合により親族へ頼めないこともあります。そのような場合の代替案について説明します。
町内会や会社関係者への依頼は、親族に頼めない場合の一般的な選択肢です。特に故人が地域コミュニティや会社と関わりが深かった場合は、協力を得やすいでしょう。依頼する際は、葬儀の概要(日時・場所・規模)と受付業務の内容を簡潔に伝え、相手の都合を確認することが大切です。
葬儀社への相談も有効な選択肢です。どうしても受付を頼める人がいない場合、葬儀社に相談すれば受付代行を手配してもらえることがあります。専門の受付代行業者はあまり多くないため、葬儀社を通じて手配するのが最も確実でしょう。代行サービスには追加費用がかかる場合がありますので、事前に料金や条件を確認しておくことをおすすめします。
厳密に「受付はこの人がやる」という決まりはありませんので、喪主・葬儀に必ず参列させるべき人を除いて、受付を頼める近しい人にお願いすることになります。
受付係への適切な依頼の仕方
受付係を依頼する際は、相手に負担をかけることを認識し、丁寧にお願いすることが大切です。
依頼する際のポイント:
- 早めの依頼:葬儀の準備が始まったら、できるだけ早く依頼する
- 丁寧な言葉遣い:「大変恐縮ですが、受付をお願いできないでしょうか」など敬意を示す表現を使う
- 負担への配慮:「お手数をおかけしますが」と相手の負担を認める姿勢を示す
依頼時には、受付業務の内容と役割についても明確に説明しましょう。具体的には以下の点を伝えておくと良いでしょう:
- 受付時間と場所
- 行う業務の具体的内容(香典受け取り、記帳案内、返礼品の手渡しなど)
- 準備しておくもの
- 服装の指定(ある場合)
- 当日の連絡先や問い合わせ先
また、受付を行う方が焼香のタイミングをいつ行うかなども事前に確認しておくことが重要です。受付業務と参列の両立は難しいため、受付前か後に焼香の時間を設けることを伝えておきましょう。
正式に依頼した後は、葬儀当日までに必要な情報(会場の詳細、当日の流れなど)を共有し、不安や疑問に答えられる体制を整えておくことで、スムーズな受付業務につながります。
葬儀受付での適切な挨拶と言葉
葬儀受付では、参列者に対して遺族の代理として適切な言葉で対応することが求められます。故人を偲ぶ大切な場での第一印象を担う重要な役割です。場面ごとの適切な挨拶と言葉遣いを紹介します。
参列者を迎える基本の挨拶例文
参列者が到着したら、まず最初に丁寧な挨拶をします。状況や時間帯に応じた適切な言葉を選びましょう。
通夜の受付での挨拶:
- 「お忙しい中、本日はお越しいただき誠にありがとうございます。」
- 「このたびは、ご丁寧にお参りいただき、誠にありがとうございます。」
- 夕方以降の場合:「お足元の悪い中、夜分にもかかわらずお越しいただき、誠にありがとうございます。」
告別式の受付での挨拶:
- 「本日は、お忙しい中ご会葬いただき、誠にありがとうございます。」
- 「このたびは、○○家の葬儀にご参列いただき、心より感謝申し上げます。」
- 悪天候の日:「足元の悪い中、お越しいただきまして誠にありがとうございます。」
挨拶は明瞭かつ穏やかな声で行い、参列者の目を見て話すことを心がけましょう。
香典を受け取る時の言葉
香典を受け取る際は、両手で丁寧に受け取り、感謝の言葉を添えます。
丁寧な受け取り方と言葉遣い:
- 「お心遣いをいただき、ありがとうございます。」
- 「ご芳志をお預かりいたします。」
- 「ご厚志、ありがとうございます。」
感謝の気持ちを伝える表現:
- 「ご丁寧にありがとうございます。ご遺族に代わりまして、お預かりいたします。」
- 「お心遣い、誠にありがとうございます。大切にお預かりいたします。」
香典を受け取る際は、両手で持ち、軽く頭を下げることを忘れないようにしましょう。
記帳をお願いする時の声かけ方
香典を受け取った後は、芳名帳への記入をお願いします。スムーズに記入してもらうためのコツもあります。
芳名帳への記入案内の言葉:
- 「恐れ入りますが、こちらの芳名帳にお名前とご住所をご記入いただけますでしょうか。」
- 「お手数ですが、こちらに御芳名と御住所をお書きください。」
スムーズな案内のコツ:
- ペンの準備:「こちらのペンをお使いください。」
- 記入欄の案内:「こちらの欄にご記入をお願いいたします。」
- 混雑時の配慮:「少々お待ちいただいております。もうしばらくお待ちいただけますでしょうか。」
記帳台が混雑している場合は、待ち時間の目安を伝えるとよいでしょう。
返礼品を渡す際の挨拶
記帳が終わったら、用意された返礼品(供物や会葬御礼)を手渡します。
感謝の気持ちを伝える言葉:
- 「ご遺族に代わりまして、こちらをお受け取りください。」
- 「お心遣いに対するお返しとして、どうぞお納めください。」
- 「本日は誠にありがとうございました。お帰りの際のお礼の品です。」
返礼品の渡し方とタイミング:
- その場で渡す場合:「こちらは、ご遺族からのお礼の品でございます。」
- お帰り時に渡す場合:「お帰りの際に、受付にてお礼の品をお渡しいたしますので、どうぞお立ち寄りください。」
返礼品は両手で丁寧に渡すことを心がけましょう。
会場への案内表現
最後に式場への案内をします。会場の位置や設備についても簡潔に説明できるとベターです。
式場への案内の言葉:
- 「式場はこちら(方向を示しながら)でございます。どうぞお入りください。」
- 「通夜の会場は、この廊下を進んだ先になります。係の者がご案内いたします。」
- 「ご焼香は、お入りになって正面でお願いいたします。」
施設案内の効果的な伝え方:
- トイレの場所:「お手洗いは、廊下を左に進んだところにございます。」
- 喫煙所の案内:「喫煙スペースは、建物の外の右側にございます。」
- 待合室の案内:「少々お待ちいただく場合は、こちらの待合室をご利用ください。」
会場が混雑している場合は、「現在、式場内が混雑しております。少々お待ちいただくことがございますが、ご了承ください」など、状況を説明することで参列者の理解を得られます。
受付担当者は、葬儀の流れや会場の全体像を事前に把握しておくと、参列者からの質問にも適切に対応できます。丁寧で落ち着いた対応を心がけ、故人を偲ぶ場にふさわしい雰囲気づくりに貢献しましょう。
葬儀受付の実際の流れと業務内容
葬儀の受付係は参列者を最初に迎える重要な役割です。故人への弔意を表す方々に対して、遺族に代わってしっかりとした対応が求められます。ここでは具体的な業務の流れと実践的なアドバイスを解説します。
受付開始前の準備と確認事項
受付業務を滞りなく行うためには、事前の準備と確認が欠かせません。葬儀が始まる少なくとも1時間前には会場に到着し、必要な準備を整えておきましょう。
必要な準備物と確認事項:
- 受付備品:芳名帳、記入用ペン、香典受け、返礼品、名刺受け
- 会場情報:トイレの場所、喫煙所、待合室、駐車場の案内方法
- 葬儀の概要:式の流れ、開始時間、焼香の順番や方法
特に式の時間や流れについての質問が多く寄せられるため、葬儀社のスタッフから事前に詳細を確認しておくと良いでしょう。万が一、参列者から質問があって答えられない場合は、「確認してまいります」と伝え、葬儀社スタッフに確認することを忘れないでください。
香典受け取りから記帳案内までの流れ
受付での基本的な流れは、参列者への挨拶→香典の受け取り→芳名帳記入の案内→返礼品の手渡し→会場案内となります。
参列者への挨拶と香典受け取り
参列者が来られたら、まず丁寧に頭を下げて挨拶します。標準的な挨拶の言葉は:
「お忙しいなか、お越しいただきありがとうございます」
香典を差し出された際には:
「お心遣い、ありがとうございます。お預かりいたします」
と言いながら、両手で丁寧に受け取ります。
スムーズな記帳案内のコツ
香典を受け取ったら、すぐに芳名帳への記入をお願いします:
「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください」
混雑時のスムーズな対応のポイント:
- 複数の芳名帳と筆記用具を用意しておく
- 記入台が混み合う場合は「少々お待ちいただけますか」と声をかける
- 高齢者には「お手伝いしましょうか」と配慮する
トラブル対応の注意点
香典の表書きがない、金額が分からないなどのトラブルが発生した場合は、その場で確認しましょう。ただし、参列者の負担にならないよう配慮が必要です。不明点は葬儀社スタッフか親族に確認し、後で対応することも検討してください。
供物・弔電・供花の受け取り方と対応
供物・弔電・供花が届いた場合も、受付係が対応します。これらは故人への弔意を表す大切なものですので、丁寧に扱いましょう。
供物・供花の受け取り
供物や供花が届いたら:
- 丁寧に受け取り「ありがとうございます」と礼を述べる
- 贈り主の名前と連絡先を確認する
- 送り状や添え状があれば保管する
弔電の管理方法
弔電が届いた場合:
- 内容を確認し、送り主の名前をチェックする
- 専用のファイルに時系列で保管する
- 葬儀社のスタッフに渡し、式中の奉読の準備をしてもらう
これらの品物は、適切なタイミングで葬儀社のスタッフや担当の親族に引き継ぎます。特に弔電は式中に読み上げられることが多いので、漏れがないよう注意しましょう。
荷物預かりとクローク業務
参列者の荷物預かりも受付の仕事の一つです。特に雨天時は傘の預かりなど業務が増えるため、事前の準備が重要です。
荷物管理のシステム
効率的な荷物管理のポイント:
- 預かり札の番号と荷物を対応させる
- 貴重品は預からないことを明確に伝える
- 大きな荷物と小さな荷物を分けて保管する
トラブル防止のための工夫
荷物の返却時のトラブルを防ぐために:
- 取り違えやすい黒い傘や似たようなコートには目印をつける
- 預かり札をなくした場合の対応手順を決めておく
- 混雑時は複数人で対応し、一人が札の確認、一人が荷物の返却を担当する
葬儀終了後は多くの方が同時に荷物を取りに来るため、スムーズな返却ができるよう準備しておきましょう。
受付終了後の業務と引き継ぎ
受付業務が一段落したら、集まった香典や記録の整理を行います。この作業は非常に重要で、後のお礼状送付などに直結します。
香典の整理と管理
香典を整理する際のポイント:
- 芳名帳の記載順に香典を並べる
- 表書きと中袋の名前が一致しているか確認する
- 金額が分かる場合は、控えをとっておく(後の香典返しの参考に)
記録の確認と報告
すべての記録を確認したら:
- 芳名帳の記載内容に漏れがないか確認
- 香典総数と芳名帳の記載数が一致しているか確認
- 特記事項(特別な対応が必要だった方など)をメモしておく
最終的には、指定された親族や葬儀社の担当者に、すべての香典と記録を丁寧に引き継ぎます。引き継ぎの際は、「香典〇〇件、芳名帳〇冊をお渡しします」と数を明確に伝えましょう。
受付係の役割は非常に重要です。参列者への丁寧な対応と正確な業務遂行によって、故人を送る大切な儀式がスムーズに進行します。事前の準備と基本的な流れを把握しておくことで、慌てることなく任務を果たすことができるでしょう。
葬儀受付を務める際の服装とマナー
葬儀の受付を任された方は、遺族の代理として参列者を迎える重要な役割を担います。適切な服装と振る舞いで、故人と遺族への敬意を表しましょう。
適切な服装と身だしなみ
受付をするときの服装は、参列者と同じく喪服・ブラックフォーマルが基本です。受付だからといって特別な服装は必要ありません。
男性の服装ポイント:
- 黒の礼服(ダブルかシングルのスーツ)を着用する
- ネクタイは黒か濃紺の無地で、光沢の少ないものを選ぶ
- 靴下は黒色、靴も黒の革靴が適切
女性の服装ポイント:
- 黒の喪服(ワンピースやスーツ)を着用する
- スカート丈は膝が隠れる長さが望ましい
- ストッキングは黒色を選び、素足は避ける
NGな服装と装飾品:
- 光沢のある素材の衣服
- 派手なアクセサリーや大きな装飾品
- カラフルな時計やネイル
- 香りの強い香水
特に注意すべき点として、受付は長時間立ち続けることになるため、履き慣れた靴を選び、必要に応じて暑さ・寒さ対策も考慮しましょう。
受付係としての立ち振る舞い
受付係は葬儀の第一印象を左右する重要な存在です。参列者に対して礼儀正しく、丁寧な対応を心がけましょう。
参列者への対応姿勢:
- 参列者が来られたら、軽く会釈をして迎える
- 常に静かな声で丁寧な言葉遣いを心がける
- 香典を両手で恭しく受け取る
- 記帳の案内や会場への誘導をわかりやすく伝える
表情や態度の心得:
- 穏やかな表情を保ち、悲しみすぎる表情も不適切な笑顔も避ける
- 背筋を伸ばし、姿勢を正して立つ
- 不必要な私語や携帯電話の使用は控える
- 複数の方が同時に来られても、一人一人に丁寧に対応する
身だしなみや姿勢に気を配り、品位ある振る舞いを心がけることで、故人と遺族への敬意を表すことができます。
受付中の注意点と心構え
葬儀の受付は開始から終了まで、長時間にわたる対応が必要です。体調管理と予期せぬ状況への対処能力が求められます。
長時間対応の体調管理:
- 事前に十分な休息をとり、体調を整えておく
- 長時間立ち続けることになるため、疲れにくい靴を選ぶ
- 水分補給ができるタイミングを確認しておく
- 交代要員がいる場合は、適切な引き継ぎと交代のタイミングを決めておく
予期せぬ状況への対処法:
- 香典袋の不備(中身が見えている、表書きがない等)があった場合の対応を事前に確認
- 遅れて到着した参列者への案内方法を把握しておく
- 体調不良の参列者が現れた場合の対応手順
- 判断に迷う事態が発生した場合の相談先(葬儀社スタッフや喪主側の担当者)を明確にしておく
受付係としての役割をスムーズに果たすためには、事前の準備と心構えが何より大切です。葬儀の流れや会場の配置を把握し、どんな状況にも落ち着いて対応できるよう準備しておきましょう。
葬儀受付に関するよくある質問
- 受付係として焼香はいつ行うべき?
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受付を担当する方は、基本的に受付を離れることができないため、一般参列者と同じタイミングで焼香することが難しい状況です。適切な焼香のタイミングとしては以下が考えられます:
焼香のタイミング:
- 受付開始前:参列者が到着する前の静かな時間に焼香を済ませる
- 受付業務の交代時:複数人で受付を担当している場合、交代の時間を活用する
- 受付終了後:すべての参列者の受付が終わった後に焼香を行う
焼香を行う際は、必ず事前に喪主や葬儀社のスタッフと相談し、いつ焼香をするか確認しておきましょう。特に大規模な葬儀では、受付担当者のための特別な焼香の時間が設けられることもあります。
- 受付を断る必要がある場合の対応
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葬儀の受付を頼まれた場合、可能な限り引き受けるのが望ましいですが、やむを得ない事情で断る必要がある場合もあるでしょう。
断り方のポイント:
- できるだけ早く伝える:喪主が代わりの人を見つける時間を確保できるよう、依頼を受けたらすぐに判断し、断る場合は早めに伝えましょう
- 理由を簡潔に説明する:長々と言い訳せず、具体的かつ簡潔に理由を伝えます
- 誠意を示す:謝罪の気持ちと故人への弔意を忘れずに示しましょう
断る際は、可能であれば代替案を提案することで、相手の負担を軽減できます。例えば「当日は無理ですが、前日の準備をお手伝いします」「〇〇さんなら手伝ってくれるかもしれません」など、建設的な提案を心がけましょう。
- 受付係へのお礼の相場と渡し方
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受付を引き受けてくれた方へのお礼は、労いの気持ちを表すマナーとして大切です。
お礼の相場:
- 金額目安:一般的に1日あたり3,000円〜10,000円程度が相場です
- 地域差:都市部では高めの金額設定、地方では低めの金額設定になる傾向があります
- 関係性による違い:親しい関係ほど金額が低めになることもあります
お礼を渡すタイミングには、主に以下の2つがあります:
- 葬儀終了後すぐ:他の手伝いの方々と一緒にお礼を渡す場合
- 後日改めて:四十九日法要などの機会に、改めてきちんとしたお礼を伝える場合
お礼を渡す際は、感謝の言葉を添えて丁寧に渡しましょう。「お忙しい中、受付を担当していただき、ありがとうございました」など、具体的に感謝の意を示すことが大切です。
不安な場合は、葬儀社のスタッフや地域の慣習に詳しい親族に相談すると良いでしょう。
- 受付係に必要なスキルと心得
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受付係は参列者が最初に接する遺族側の代表として、適切な対応が求められます。
必要なスキルと心得:
- 基本的なコミュニケーション能力:明瞭で丁寧な言葉遣い、適切な声の大きさ、相手に合わせた対応ができること
- 冷静さの維持:混雑時や予期せぬ状況でも落ち着いて対応できる精神力
- 細やかな気配り:高齢者や障がいのある方への配慮、疲れている参列者へのさりげない気遣いができること
実践的な準備ポイント:
- 式の全体像を把握する:会場の配置、進行スケジュール、トイレや喫煙所の場所など基本情報を確認しておく
- 想定外の質問への対応準備:よくある質問とその答えを事前に確認しておく
- 体調管理:長時間の立ち仕事になるため、疲れにくい靴を選び、水分補給の準備をしておく
受付係としての役割は、単に香典を受け取るだけでなく、故人と遺族の代理として参列者をお迎えする大切な役目です。参列者に対して、遺族を代表して感謝の意を示す姿勢で臨みましょう。
葬儀受付のまとめ
葬儀の受付業務は、参列者を最初に迎える重要な役割です。基本的には直系以外の親族に依頼するのが一般的ですが、状況によっては町内会や会社関係者、または葬儀社のサポートを得ることも検討できます。受付担当者は香典の受け取りから芳名帳への記入案内、返礼品の手渡しまで、一連の流れを滞りなく進行させる責任があります。
受付を務める際は、喪服・ブラックフォーマルの適切な服装で臨み、丁寧な言葉遣いと落ち着いた対応を心がけましょう。参列者への挨拶は「お忙しいなかお越しいただき、ありがとうございます」など、感謝の気持ちを込めた言葉を選ぶことが大切です。また、会場案内や施設情報なども把握しておくと、スムーズな対応ができます。
受付業務で最も重要なのは、事前準備と喪主・葬儀社との綿密な打ち合わせです。イレギュラーな状況が発生した際の連絡経路や判断基準をあらかじめ確認しておけば、慌てることなく対応できるでしょう。受付担当者は遺族の代理として参列者をお迎えする立場であることを常に意識し、故人を送る大切な儀式の一翼を担う心構えで臨むことが大切です。