お別れ会や偲ぶ会は、葬儀とは別に開催される、故人を偲ぶための機会です。親族だけでなく友人や知人が集まり、故人との思い出を共有し、最後のお別れをする場として近年注目されています。
近年の葬儀事情は大きく変化しており、家族葬や火葬式(直葬)など簡素化された葬儀が増加傾向にあります。2023年の調査によれば、4人に1人(25.4%)が「お別れ会に興味がある」と回答しており、葬儀の簡素化に伴い、お別れ会・偲ぶ会の需要も高まっています。
お別れ会・偲ぶ会の魅力:
- 時間的余裕があるため、じっくりと故人を偲ぶことができる
- 参加者の都合に合わせて計画できるため、多くの人が集まりやすい
- 宗教的な制約が少なく、故人や参列者の希望に沿った形式を選べる
葬儀が慌ただしく終わることが多い一方で、お別れ会・偲ぶ会はより計画的に開催されるため、参加者が故人との思い出に浸る余裕を持つことができます。また、葬儀に参列できなかった方々にとっても、故人との最後のお別れの機会となります。
この記事では、お別れ会・偲ぶ会の基本的な形式から具体的な準備方法、会場選び、式次第、費用相場まで、開催に必要な情報を詳しく解説します。また、参加者向けの服装や持ち物、マナーについても紹介するので、お別れ会・偲ぶ会を計画している方も、参加予定の方も参考にしてください。
お別れ会・偲ぶ会の無料相談:Story(ストーリー)
お別れ会・偲ぶ会とは|葬儀との違いと特徴
葬儀とは別に、故人を偲ぶため知人や友人を招いて開催される「お別れ会」や「偲ぶ会」。近年は葬儀そのものが家族葬や火葬式(直葬)など縮小傾向にあるなか、より自由な形で故人との最後の時間を共有するための機会として注目されています。
鎌倉新書の調査によると、4人に1人(25.4%)が「お別れ会に興味がある」と回答しており、特に自分自身のお別れ会より、家族や知人友人のために開催したいと考える人が多いという結果が出ています。葬儀の簡素化が進む現代において、お別れ会・偲ぶ会のニーズは今後さらに高まることが予想されます。
葬儀と異なる偲ぶ会の位置づけと役割
葬儀と偲ぶ会の最も大きな違いは、その目的と時間的余裕にあります。
葬儀の主な目的:
- 故人の旅立ちを見送る儀式としての役割
- 宗教的な儀礼に基づいた弔いの場
- 喪主や遺族が主体となる場
お別れ会・偲ぶ会の主な目的:
- 故人との思い出を共有する場
- 生前の交友関係者が集まって故人を偲ぶ機会
- 参加者全員が主体的に関わる場
葬儀は故人が亡くなってから数日以内に行われるため、突然の訃報に対応できない参列者も多く、また進行も慌ただしいのが現状です。一方、お別れ会・偲ぶ会は葬儀後に計画的に開催されるため、より多くの人が参加でき、ゆっくりと故人を偲ぶ時間を持つことができるという大きなメリットがあります。
社葬・団体葬との関係性
社葬や団体葬もお別れ会・偲ぶ会と同様の位置づけとなります。これらは近親者のみで行われる葬儀とは別に、生前の知人・同僚・関係者が集まって故人を偲ぶための機会です。
社葬・団体葬の特徴:
- 会社や組織が主催する形式が一般的
- 公式性・格式性が比較的高い
- 参加者の範囲が組織に関連する人々に限定される傾向
一般的なお別れ会・偲ぶ会が個人的な交友関係を中心に構成されるのに対し、社葬・団体葬は組織的な関係性にフォーカスした形となります。ただし、近年では形式にとらわれないカジュアルな社葬や、ハイブリッド形式(対面とオンラインの併用)の社葬も増えてきています。
宗教的な制約がなく自由度の高いセレモニー
お別れ会・偲ぶ会が葬儀と大きく異なる点として、宗教的な儀礼に縛られない自由度があります。
葬儀では:
- 故人の宗教・宗派により式の形式や段取りが決められている
- 僧侶や神職など宗教者の参加が一般的
- 焼香や読経など宗教的な儀式が中心となる
お別れ会・偲ぶ会では:
- 宗教的な決まりに関係なく自由にプログラムを構成できる
- 故人の人柄や好みに合わせた内容を取り入れられる
- 参加者全員が思い思いの形で故人を偲ぶことができる
この自由度の高さが、結婚式と披露宴の関係に似ているとも言えるでしょう。結婚式が形式に則った厳粛な儀式であるのに対し、披露宴は自由度が高くカスタマイズ可能な祝いの場となります。同様に、葬儀が形式的な「送り出しの儀式」であるのに対し、お別れ会・偲ぶ会は自由度の高い「思い出を共有する場」なのです。
直葬・火葬式と組み合わせるメリット
葬儀の簡素化が進む現代において、直葬(火葬式)とお別れ会の組み合わせは、実用的かつ意義のある選択肢となっています。
この組み合わせのメリット:
- 葬儀の負担(経済的・心理的・時間的)を軽減できる
- 急な訃報に対応できなかった人も、後日のお別れ会に参加できる
- 遺族も落ち着いた状態で故人を偲ぶ場を設けられる
- 故人の希望に沿った形で、より個性的な「お別れ」の場を創出できる
実際の組み合わせ例としては:
- 葬儀は親族のみで最低限の直葬・火葬式で済ませる
- その後、計画的にお別れ会・偲ぶ会を開催し、知人・友人を招く
この方法は、喪主や遺族の負担を減らしつつ、参列者にとっても「ゆっくりお別れができなかった」「参列できなかった」という心残りを解消する効果があります。高齢化や核家族化が進み、葬儀の簡素化が求められる現代において、この組み合わせは今後さらに一般的になっていくでしょう。

お別れ会・偲ぶ会の具体的な形式と種類
お別れ会・偲ぶ会は、故人を偲ぶ自由な形式のセレモニーとして、近年需要が高まっています。葬儀とは異なり、宗教的な制約がなく、遺族や参列者の意向に沿った形で執り行うことができます。ここでは、お別れ会・偲ぶ会の代表的な形式とその特徴について詳しく解説します。
セレモニー形式の偲ぶ会の特徴
セレモニー形式は、葬儀や告別式に近い格式のある形式で行われるお別れ会です。特徴として以下の点が挙げられます。
セレモニー形式の主な特徴:
- 厳粛な雰囲気を重視する
- 式次第に沿った進行を行う
- 司会者や進行役が全体をコーディネート
セレモニー形式では、司会者の進行のもと、開会の挨拶、黙祷、弔辞、献花などの儀式的な要素を取り入れます。葬儀ほど宗教色は強くありませんが、故人を敬い、しっかりとお別れをする場としての性格が強いです。
この形式は、社会的に著名な方や多くの関係者がいる方のお別れ会に適しています。参加者が多い場合でも、式次第に沿って進行することで、秩序ある形で故人を偲ぶことができます。
セレモニー形式を選ぶメリットは、厳かな雰囲気の中で故人への敬意を示せる点、そして多くの参加者が一斉に弔意を表すことができる点にあります。一方で、格式を重んじるため、参加者同士の交流や故人との思い出を共有する時間が限られるというデメリットもあります。
会食パーティー形式の偲ぶ会の特徴
会食パーティー形式は、より和やかな雰囲気で故人を偲ぶスタイルです。儀式的な要素よりも、参加者同士の交流や思い出の共有に重点を置きます。
会食パーティー形式の主な特徴:
- カジュアルな雰囲気で行われる
- 参加者同士の交流が主体
- 故人の好きだった料理や飲み物を提供することも
この形式では、レストランやホテルのバンケットルームなどを会場に選び、食事を共にしながら故人の思い出を語り合う時間を多く設けます。故人の写真や愛用品を展示したり、生前の映像を上映したりするなど、故人の人となりを感じられる演出が特徴です。
会食パーティー形式は、故人が社交的だった場合や、参加者同士の結びつきを強めたい場合に適しています。特に故人が「お別れは明るく送り出してほしい」と望んでいた場合などに選ばれることが多いです。
このスタイルのメリットは、参加者が自由に交流できる点と、故人との思い出を共有しやすい点です。デメリットとしては、大人数の場合は全員での統一した儀式的要素が少なくなることが挙げられます。
ハイブリッド形式(セレモニーと会食の組み合わせ)
ハイブリッド形式は、セレモニー形式と会食パーティー形式を組み合わせた形式で、最も一般的に選ばれるスタイルです。お別れ会の前半でセレモニーを行い、後半で会食を行うという流れが基本となります。
ハイブリッド形式の主な特徴:
- 儀式的な要素と交流の場を両立
- 時間帯で雰囲気を切り替える構成
- 幅広い参加者層のニーズに対応できる
典型的な流れとしては、最初に司会者の進行で開会の挨拶、黙祷、弔辞、献花などの儀式的な要素を行い、その後、会場を移動するか同じ会場でセッティングを変更して会食に移ります。会食の場では、故人との思い出を語り合ったり、写真や映像を見たりする時間を設けます。
ハイブリッド形式は、異なる世代や関係性の参加者が混在する場合に特に効果的です。格式を重んじる方々も、カジュアルな交流を望む方々も、それぞれが満足できる形でお別れ会に参加することができます。
このスタイルの最大のメリットは、お別れの儀式としての厳粛さと、故人を偲ぶ交流の時間の両方を確保できる点です。デメリットとしては、準備や手配が他の形式に比べて複雑になることが挙げられます。
友人のみで行う小規模な偲ぶ会の実例
近年増えているのが、故人の友人たちだけで行う小規模な偲ぶ会です。家族葬や直葬の後に、故人と親しかった友人だけが集まって行うケースが多く見られます。
友人のみの偲ぶ会の特徴:
- 少人数で親密な雰囲気
- カジュアルな形式で自由度が高い
- 故人との共通の思い出が中心テーマになる
実例としては、以下のようなケースがあります:
故人の行きつけだった飲食店に友人10人ほどが集まり、思い出話をしながら故人の好きだった料理や飲み物を楽しむというスタイルは、特に20〜40代の方の偲ぶ会で人気です。
また、故人の趣味に関連した場所(釣りが趣味なら海辺、音楽好きならライブハウスなど)で友人たちが集まる形式も増えています。
友人のみの偲ぶ会では、堅苦しい式次第よりも、故人との思い出の品を持ち寄ったり、思い出のエピソードを語り合ったりする自由な形式が好まれます。近年ではSNSで日時と場所を共有し、緩やかに参加者を募るケースも見られます。
この形式の最大のメリットは、故人との個人的な関係に焦点を当てた、より親密な偲ぶ場が持てる点です。デメリットとしては、家族との連携が必要な場合があることや、参加範囲の線引きが難しい場合があることなどが挙げられます。
お別れ会・偲ぶ会は、故人の人柄や遺族の希望に合わせて自由に形式を選択できます。どの形式を選ぶにしても、故人を偲び、参加者が心からお別れを告げられる場となるよう、丁寧に計画することが大切です。
お別れ会・偲ぶ会の流れと式次第
- 係が集合開会の1時間前までに集まり、会の準備を行います
- 受付開会の1時間前を目安に参加者の受付を開始します
- 開会司会の進行のもと開会、開会の挨拶があります
- 式典黙祷、献奏、弔辞拝受、弔電拝読、お別れの会委員長挨拶、献花など
式典の内容・有無はお別れ会のプランによって異なります - 会食式典後に会食会場へ移動
献杯・会食の時間をとります
会食の内容・有無はお別れ会のプランによって異なります - 閉会
お別れ会・偲ぶ会は、葬儀とは異なり宗教的な制約に縛られないため、故人や遺族の希望に沿った自由なセレモニーを創ることができます。この章では一般的な進行パターンから具体的な式次第例、司会者の選び方まで、お別れ会・偲ぶ会を開催する際の流れについて詳しく解説します。
基本的な進行パターンと時間配分
お別れ会・偲ぶ会の基本的な流れは、準備から閉会まで以下のような時間配分で進行するのが一般的です。全体の所要時間は約2〜3時間が目安となります。
お別れ会・偲ぶ会の基本的な時間配分:
- スタッフ・係の集合:開会の1〜2時間前(30分〜1時間)
- 受付開始:開会の30分〜1時間前(30分〜1時間)
- セレモニー:30分〜1時間
- 会食:1〜1.5時間
- 閉会・見送り:15〜30分
当日の進行をスムーズにするためには、タイムスケジュール表を作成し、関係者全員で共有しておくことが重要です。特に司会者や受付担当者は、時間管理の役割も担うことになるため、事前の打ち合わせが欠かせません。
具体的な式次第の例と解説
お別れ会・偲ぶ会の式次第は、セレモニー形式と会食パーティー形式、またはその組み合わせで構成されることが一般的です。ここでは、それぞれの形式における具体的な式次第例をご紹介します。
セレモニー形式の式次第例
セレモニー形式は、葬儀に近い厳粛な雰囲気で行われることが多く、故人を偲ぶための時間を中心に構成されます。
セレモニー形式の基本的な式次第:
- 開会の辞:司会者による開会宣言(3分)
- 主催者挨拶:遺族代表や主催者からの挨拶(5分)
- 黙祷:故人を偲んで全員で黙祷(1分)
- 経歴紹介:故人の生涯や功績の紹介(5分)
- 弔辞・追悼の言葉:関係者からの弔辞(10〜15分)
- 弔電・メッセージ紹介:参列できなかった方からのメッセージ紹介(5分)
- 献花・献杯:参列者による献花または献杯(10〜20分)
- 遺族挨拶:感謝の言葉(5分)
- 閉会の辞:司会者による閉会宣言(2分)
セレモニー形式では、厳かな雰囲気を保ちつつも、故人らしさを表現する演出を取り入れることで、参列者の心に残るお別れの場となります。
会食パーティー形式の式次第例
会食パーティー形式は、よりカジュアルな雰囲気で故人を偲び、参列者同士の交流を重視した形式です。
会食パーティー形式の基本的な式次第:
- 開会の辞と乾杯:司会者による開会宣言と献杯(5分)
- 食事タイム:会食をしながらの歓談(30〜45分)
- 思い出トーク:故人との思い出を語り合うフリートークタイム(20〜30分)
- 写真・映像上映:故人の思い出の写真や映像の紹介(10〜15分)
- 参加者からの一言:希望者による故人への思いを語るスピーチ(15〜20分)
- 遺族挨拶:感謝の言葉(5分)
- 中締め:関係者による中締めの挨拶(3分)
会食パーティー形式では、リラックスした雰囲気の中で思い出を共有することが中心となります。テーブル配置や食事内容も、故人の好みや趣味に合わせたものにすることで、より印象深いお別れの会となるでしょう。
司会者の選び方と役割
お別れ会・偲ぶ会において、司会者の存在は進行を左右する重要な要素です。葬儀では通常、葬儀社のスタッフが進行役を務めますが、お別れ会では自由に司会者を選ぶことができます。
適切な司会者の選び方:
- 故人と親しい関係にあった方:故人のことをよく知る友人や同僚
- 話し慣れている方:スピーチや進行役の経験がある方
- 冷静に対応できる方:感情的になりすぎず、場の雰囲気をコントロールできる方
- 専門の司会者:お別れ会専門の司会者を依頼する方法もあります
司会者の主な役割:
- 進行管理:式次第に沿った時間管理と円滑な進行
- 場の雰囲気作り:セレモニーの趣旨に合った適切な言葉遣いと態度
- 参加者への配慮:高齢者や遠方からの参加者への気配り
- 突発的な状況への対応:予定変更や感情的な場面での適切な対応
司会者には事前に詳細な進行表を渡し、打ち合わせを行っておくことが重要です。特に、弔辞や追悼の言葉を述べる方の順番や、献花・献杯の方法など、細かい部分まで確認しておきましょう。
故人を偲ぶための効果的な演出アイデア
お別れ会・偲ぶ会では、故人の人柄や生き方を参列者と共有し、心に残るセレモニーにするための演出が重要です。
故人を偲ぶための効果的な演出例:
- メモリアルフォトコーナー:故人の人生を振り返る写真展示
- 思い出の品の展示:趣味や仕事に関連した品々の展示
- 映像上映:故人の生涯をまとめた映像や動画メッセージの上映
- メッセージボード:参列者が自由に故人へのメッセージを書き込めるスペース
- 好きだった音楽の演奏:生演奏やBGMとしての使用
- ゆかりの場所の写真や映像:故人が愛した場所や思い出の場所の紹介
これらの演出は、セレモニー形式と会食パーティー形式のどちらにも取り入れることができます。故人の人柄や好みに合わせて、故人らしさが感じられる演出を選ぶことが大切です。
特に近年は、デジタル技術を活用した演出も増えています。写真や映像をスライドショーにして上映したり、参列者がスマートフォンで閲覧できるデジタルメモリアルブックを作成したりする方法もあります。
いずれの演出も、準備段階から遺族の意向を尊重し、故人を最もよく知る方々の協力を得ながら進めることで、心のこもったお別れの場を創り上げることができるでしょう。
お別れ会・偲ぶ会の会場選びのポイント
お別れ会・偲ぶ会は、形式や規模に応じて様々な場所で開催できます。会場選びは参加者の満足度や予算に大きく影響するため、故人の人柄や遺族の希望を考慮しながら慎重に決定しましょう。
会場タイプ別の特徴と選び方
葬儀場でのお別れ会の特徴
葬儀場は、お別れ会・偲ぶ会を開催する上で最もオーソドックスな選択肢です。葬儀場の特徴には以下のような点があります。
葬儀場のメリット:
- 設備が整っているため、追加手配が少なくて済む
- スタッフの経験が豊富で安心感がある
- 故人の遺影や祭壇の設置に適している
- 葬儀と連続して行う場合に移動の手間がない
一方、葬儀場を選ぶ際の注意点として、予約状況の確認が必要です。特に葬儀シーズンは混み合うことがあるため、早めに問い合わせることをおすすめします。また、葬儀場によっては飲食の制限がある場合もあるため、事前に確認しましょう。
ホテル・レストランでの開催方法
ホテルやレストランでのお別れ会は、より自由で和やかな雰囲気を作り出せます。
ホテル・レストランのメリット:
- 会食を中心としたプログラムを組みやすい
- 洗練された雰囲気で参列者をおもてなしできる
- 故人の好きだった料理を提供できる可能性がある
- 宿泊施設が併設されているため、遠方からの参列者に便利
開催する際のポイントは、専用の個室やパーティールームを確保することです。一般客と混在しないよう、プライバシーが確保された環境を選びましょう。また、音響設備や映像設備の有無も確認し、思い出の写真や映像を上映する予定がある場合は特に重要です。
その他の特別な会場(屋外・船上など)
故人の個性や生前の思い出に合わせて、特別な場所でお別れ会を開催することも可能です。
特別な会場の例:
- 屋外(公園・ガーデン):自然が好きだった方に適している
- 船上:海や川と縁の深かった方に適している
- 美術館・博物館:芸術や文化に造詣が深かった方に適している
- 故人の思い出の場所:生前によく通っていた場所や思い入れのある場所
これらの特別な会場を選ぶ際は、天候による影響や設備の不足などのリスクを考慮する必要があります。また、必要な許可申請や専門スタッフの手配など、準備に時間と手間がかかることも念頭に置きましょう。
参加人数に応じた会場選定の基準
会場を選ぶ際には、想定参加人数をあらかじめ把握しておくことが重要です。人数別の目安として以下を参考にしてください。
参加人数別の会場選定基準:
- 少人数(20名以下):小規模な個室レストラン、小さな葬儀場の一室、自宅など
- 中規模(21〜50名):中規模の葬儀場、ホテルの中宴会場、専用パーティールームなど
- 大規模(51名以上):大型葬儀場、ホテルの大宴会場、ホールなど
参加人数を見積もる際は、招待予定者の出席率も考慮しましょう。一般的に、親族は80〜90%、友人・知人は60〜70%程度の出席率と見込むことが多いようです。また、席の配置方法(テーブル形式・シアター形式など)によっても必要なスペースが変わってきます。
会場選びで押さえるべきチェックポイント
お別れ会・偲ぶ会にふさわしい会場を選ぶためのチェックポイントは以下の通りです。
会場選定のチェックポイント:
- アクセスの良さ(最寄り駅からの距離、駐車場の有無)
- バリアフリー対応(高齢者や障がいを持つ方への配慮)
- 設備の充実度(音響・映像設備、Wi-Fi環境など)
- 控室の有無(遺族や関係者が休憩できるスペース)
- 飲食対応の可否(ケータリングの可否、アレルギー対応など)
- キャンセルポリシー(急な予定変更に対応できるか)
特に交通の便は参加者にとって重要な要素です。公共交通機関でのアクセスが良い場所を選ぶか、送迎バスの手配を検討するとよいでしょう。また、高齢者が多く参加する場合には、エレベーターの有無や休憩スペースの確保も重要なポイントになります。
会場別の費用相場と予算の組み方
お別れ会・偲ぶ会の会場費用は、場所や規模によって大きく異なります。会場タイプ別の一般的な費用相場は以下の通りです。
会場タイプ別の費用相場(30〜50名程度の場合):
- 葬儀場:基本料金 5〜15万円程度+飲食費(1人3,000〜5,000円程度)
- ホテル:会場使用料 10〜20万円程度+飲食費(1人5,000〜10,000円程度)
- レストラン:個室使用料 0〜10万円程度+飲食費(1人4,000〜8,000円程度)
- 特別な会場:使用料 15〜30万円程度+設備・飲食手配費(要見積もり)
会場費用を予算内に抑えるためのポイントとして、平日や午前中など比較的空いている時間帯を選ぶことでコストを抑えられる場合があります。また、会費制にするか、香典を会場費に充てるかなど、費用負担の方法も事前に検討しておくことが大切です。
会場を予約する際は、複数の会場を比較検討し、見積もりを取得することをおすすめします。その際、追加料金が発生する可能性がある項目(延長料金、設備使用料など)についても確認しておきましょう。最終的には、予算と参加者の満足度のバランスを考慮して決定することが重要です。
お別れ会・偲ぶ会の開催時期と準備スケジュール
- 約2ヶ月前相談・打ち合わせお別れ会ができる業者(葬儀社や専門会社)に相談
葬儀の準備と合わせて、その後のお別れ会・偲ぶ会の相談をします
会場の選定や提案・見積もりを受けます - 葬儀・告別式家族葬・密葬・火葬式などを執り行う
- 約1ヶ月前詳細の計画を進める案内状の作成
プランの演出を決める
会場の調整
食事や返礼品の準備 - 約1週間前最終打ち合わせ参加者・人数が確定
進行表・席次の決定 - 当日事前準備・当日進行
お別れ会・偲ぶ会を開催するにあたり、適切な時期の選定と十分な準備期間の確保が重要です。ここでは最適な開催時期の選び方から具体的な準備スケジュールまで詳しく解説します。
最適な開催時期の決め方
お別れ会・偲ぶ会はいつでも開催可能ですが、一般的には以下の時期が選ばれることが多いです:
- 葬儀から約1~2ヶ月後:十分な準備期間を確保できる時期
- 四十九日の前後:故人の死を受け止め、心の整理をする時期
- 一周忌:故人が亡くなってから満1年目の節目
- 節目の時期:故人の逝去から5年・10年などの区切り
- 特別な機会:同窓会など、元々集まる予定だった機会と兼ねて
一般的に、お別れ会は四十九日法要以前に、偲ぶ会は故人が亡くなってからある程度の時間が経過した後(四十九日以降や一周忌など)に開催される傾向があります。どの時期を選ぶかは、参加者の集まりやすさや準備期間なども考慮して決めるとよいでしょう。
49日・一周忌に合わせた開催のメリット
それぞれの時期に合わせて開催するメリットは以下の通りです:
四十九日前後のメリット:
- 故人の死を受け止める期間となり、心の整理ができる
- 葬儀に参列できなかった方々が改めてお別れをする機会になる
- 宗教的な儀式と組み合わせやすい時期である
- 故人を偲ぶ気持ちが強く残っている時期で参加者の思いが深い
一周忌に合わせた開催のメリット:
- 年忌法要の中で最も重要とされる節目の法要と合わせられる
- 故人を偲び、家族や親族、親しかった人々が集まる大切な機会となる
- 命日から1年が経ち、参列者が冷静な心持ちで故人を偲べる
- 法要と組み合わせることで、二度手間を避けられる
命日が平日の場合は、参列者の都合を考慮し、命日より前の土日などに設定するのが一般的です。ただし、一周忌法要の日程は、命日より後にならないようにするのが慣習です。
準備から当日までの詳細スケジュール
お別れ会・偲ぶ会の準備は、業者への相談から始まり、会場・日程決定、内容決定、事前準備、当日という流れで進みます。十分な準備期間として約2ヶ月前からの計画が望ましいでしょう。
2ヶ月前からの準備チェックリスト
2ヶ月前に取り組むべき準備:
- 業者への相談・打ち合わせ:葬儀社やお別れ会専門のプロデュース会社に相談
- 会場の選定と予約:参加予定人数に合わせた会場を確保
- 開催日時の決定:参加者が集まりやすい日時を選定
- 概算予算の設定:全体の費用感を把握し、会費制にするか検討
- 参加予定者リストの作成:案内を送る対象者をリストアップ
1ヶ月前の具体的なタスク
1ヶ月前に実施すべきこと:
- 案内状の作成と送付:必要事項を記載した案内状を発送
- プログラム内容の決定:式次第、進行内容の詳細を決める
- 司会者・弔辞担当者の依頼:適任者への依頼と内容の確認
- 会場との詳細打ち合わせ:レイアウト、設備、飲食内容の確認
- 写真や映像資料の準備:故人の写真収集や映像編集の手配
- 供花・供物の手配:必要に応じて手配
3週間前に確認すべきこと:
- 出欠状況の中間確認:返信状況を確認し、未返信者にフォロー
- 当日の進行内容の詳細打ち合わせ:タイムスケジュールの確認
- 会場の下見:実際の会場を確認し、レイアウトなどをイメージ
- 飲食メニューの最終決定:参加人数に合わせた内容調整
2週間前に行うこと:
- 参加者への確認連絡:必要に応じて追加情報の連絡
- 会場装飾の詳細決定:花や装飾、遺影の配置などを決定
- 音響・映像機器の手配確認:使用する機材の確認
- 最終見積もりの確認:予算内に収まっているか確認
直前1週間の最終確認事項
1週間前の最終確認:
- 参加者の最終人数確認:キャンセルや追加を反映
- 座席表の作成:親族や重要な参列者の座席を確定
- 進行表の最終確認:タイムスケジュールの微調整
- 案内板や席札などの準備:必要な備品の確認
- 受付担当者への説明:受付の流れや注意点の共有
前日までに行うこと:
- 飲食の最終発注:確定人数での発注
- 配布資料の印刷・準備:プログラムや写真などの準備
- 当日の役割分担の最終確認:関係者との最終打ち合わせ
- 持ち物の最終チェック:必要品の漏れがないか確認
当日の準備:
- 会場設営と最終確認:設備や装飾の確認
- 受付準備:受付名簿や案内状の準備
- 簡単なリハーサル:進行の最終確認
- 関係者への最終指示:当日の流れの再確認
案内状の作成と送付のタイミング
案内状は参加者を把握し、当日の準備を進めるために非常に重要です。適切なタイミングで送付することが欠かせません。
案内状に記載すべき内容:
- 会の目的(誰のお別れ会・偲ぶ会か)
- 開催日時・場所(アクセス方法も含む)
- 服装の指定(平服かフォーマルか明記)
- 会費の有無(または香典辞退の旨)
- 主催者の連絡先
- 出欠確認の返信方法と期限
送付のタイミング:
- 一般的なお別れ会・偲ぶ会:開催日の2週間~1ヶ月前を目安に送付
- 四十九日法要と合わせて行う場合:法要の日程が決まり次第、できるだけ早く、遅くとも法要の1ヶ月前には届くよう送付
- 一周忌と合わせる場合:命日の1~2ヶ月前までに送付が望ましい
案内状は電子メールやSNSではなく、紙の案内状を郵送するのが一般的です。ただし、急ぎの場合や遠方の方には、電話やメールで事前に連絡してから正式な案内状を送るという方法も有効です。
送付後のフォローとして、返信期限の1週間前には未返信者への確認連絡を行うと、より正確な参加人数の把握ができます。
お別れ会・偲ぶ会は故人を偲び、関係者が集まる大切な機会です。適切な時期選定と計画的な準備を行うことで、心温まる会を開催することができるでしょう。
お別れ会・偲ぶ会の開催費用と予算計画
お別れ会・偲ぶ会を開催するにあたり、費用と予算の把握は重要な検討事項です。形式や規模によって費用は大きく変動するため、事前に適切な予算計画を立てることが成功への鍵となります。
形式別・規模別の費用相場
お別れ会・偲ぶ会の費用は、選択する形式や参加人数によって大きく異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。
形式別の費用相場:
- セレモニー形式:50万円~100万円程度(式典のみ、簡素な飲食を含む)
- 会食パーティー形式:80万円~200万円程度(会場や料理のグレードにより変動)
- ハイブリッド形式(セレモニーと会食の組み合わせ):100万円~300万円程度
規模別の費用相場:
- 小規模(30名程度まで):30万円~100万円程度
- 中規模(30~80名程度):80万円~200万円程度
- 大規模(80名以上):150万円~300万円以上
これらの費用相場はあくまで目安であり、地域や会場のグレード、提供するサービスの内容によって実際の費用は上下します。結婚披露宴と同様に、内容によって費用が大きく変わることを理解しておきましょう。
会場費・飲食費・演出費などの内訳
お別れ会・偲ぶ会の総費用は、いくつかの主要項目に分けることができます。予算配分の参考にしてください。
主な費用項目と典型的な割合:
- 会場費:総費用の20~30%(会場使用料、設備使用料など)
- 飲食費:総費用の30~50%(料理、飲み物、サービス料など)
- 演出費:総費用の10~20%(花、音響、映像、写真など)
- 印刷物・案内状:総費用の5~10%(案内状、プログラム、写真パネルなど)
- 返礼品・記念品:総費用の5~15%(参加者への品物など)
- 人件費・運営費:総費用の10~20%(司会者、スタッフ、業者手数料など)
例えば、50名規模のハイブリッド形式のお別れ会を開催する場合の具体的な内訳例:
- 会場費:30万円(基本使用料、音響設備など)
- 飲食費:50万円(一人当たり約1万円の料理・飲物)
- 演出費:20万円(献花、写真・映像編集、BGMなど)
- 印刷物・案内状:8万円(案内状、返信はがき、プログラムなど)
- 返礼品:12万円(一人当たり約2,400円の品物)
- 人件費・運営費:20万円(司会者、受付スタッフなど)
- 合計:140万円(一人当たり約2.8万円)
節約できるポイントとしては、平日開催にすることで会場費が安くなる場合があること、飲食内容を簡素化すること、演出を必要最小限にすることなどが挙げられます。
参加者の会費設定の考え方
お別れ会・偲ぶ会では、参加者から会費を徴収するケースが多くなっています。会費の設定方法には以下のようなポイントがあります。
会費設定の基本的な考え方:
- 実費相当額を基準にする(一人当たりの開催コストを計算)
- 参加しやすい金額を考慮する(高すぎると参加者が減る可能性)
- 遺族側の負担能力と相談する(遺族が一部負担するか全額参加者負担にするか)
一般的な会費設定の目安は、一人あたり5,000円~20,000円の範囲が多いようです。これは主に以下の要素によって変動します:
- 提供される飲食の内容やグレード
- 会場のランクや立地
- 返礼品の有無や内容
- 演出の規模や特別企画の有無
例えば、ホテルでの本格的な料理を提供する場合は15,000円~20,000円程度、簡易的な軽食のみの場合は5,000円~10,000円程度が目安となります。
会費の案内方法としては、案内状に明記するのが一般的です。その際、「会費制にて開催いたします(お香典は辞退させていただきます)」などと記載すると丁寧です。
香典と会費の関係性
お別れ会・偲ぶ会における香典と会費の関係は、参加者にとって重要な情報です。基本的な考え方は以下の通りです。
基本的なルール:
- 会費制の場合は香典を辞退するのが一般的(二重の負担を避ける)
- 会費なしの場合は香典を受け取ることが多い
- いずれの場合も、案内状に明確に記載することが重要
会費制で香典を辞退する場合、案内状には「会費制となっておりますので、香典は固くお断りいたします」などと明記します。ただし、参加者の中には香典を持参される方もいるため、受付での対応方法も事前に決めておく必要があります。
香典辞退の場合の対応策:
- 受付に「香典辞退」の掲示をする
- 受付担当者に対応方法を説明しておく
- 香典を持参された場合は丁重にお断りする準備をしておく
なお、香典を受け取る場合の一般的な相場は、親族関係や親しさなどによって異なりますが、1万円~3万円程度が多いようです。会費と香典の両方を受け取る形式は稀ですが、その場合は会費を低く設定するなどの配慮が必要でしょう。
お別れ会・偲ぶ会の費用計画は、遺族の経済状況や参加者の負担能力を踏まえて検討することが大切です。予算内で心のこもった会を開催するために、優先順位を明確にし、本当に必要な要素に焦点を当てることをおすすめします。
お別れ会・偲ぶ会の準備と手配のポイント
お別れ会・偲ぶ会を成功させるためには、適切な準備と手配が不可欠です。自分で企画するか業者に依頼するかは、予算や時間的余裕、規模によって判断しましょう。ここでは、それぞれの場合のポイントを詳しく解説します。
自分で企画する場合のチェックリスト
自分で企画する場合の主なメリット:
- 費用を抑えられる可能性がある
- 故人の個性や思い出に合わせた細やかな演出ができる
- 参加者との直接的なコミュニケーションが取りやすい
自分で企画する場合は、以下のチェックリストを参考に準備を進めましょう:
会場・日程関連:
- 会場の選定と予約:参加人数に合った広さの会場を確保
- 会場設備の確認:音響、映像機器、控室などの確認
- アクセス方法の確認:参加者が分かりやすい案内図の準備
- 駐車場の確保:必要に応じて駐車スペースの確認
参加者への連絡:
- 案内状の作成と送付:必要情報をもれなく記載
- 参加者リストの管理:出欠確認の仕組み構築
- 特別な配慮が必要な参加者の確認:高齢者や体の不自由な方への対応
プログラム内容:
- 式次第の作成:タイムテーブルの詳細設計
- 司会者の選定:進行役を務める人の依頼と打ち合わせ
- 弔辞・挨拶の依頼:話してもらう人の選定と依頼
- 余興や演出の計画:故人にゆかりのある音楽や映像の準備
準備物:
- 遺影や写真の準備:故人の写真の収集とレイアウト
- 記帳台・芳名帳の準備:受付に必要な備品
- 案内表示の作成:会場内の案内サイン
- プログラムや資料の印刷:参加者への配布物
飲食関連:
- メニューの選定:参加人数に合わせた手配
- アレルギーや食事制限の確認:特別な配慮が必要な方への対応
- 飲み物の準備:ソフトドリンクやアルコールの手配
当日の役割分担:
- 受付担当:参加者の出欠確認と案内
- 会場設営:装飾や設備の最終チェック
- 進行管理:タイムスケジュールの管理
- 写真・動画撮影:記録係の手配
業者に依頼する場合の選定基準
業者に依頼する主なメリット:
- 専門的なノウハウを活用できる
- 時間や労力を大幅に節約できる
- トラブル発生時にも対応してもらえる
業者選びは成功の鍵を握ります。以下の選定基準を参考にしましょう:
実績と経験:
- 過去の開催実績や口コミ評価を確認する
- 類似規模・形式のお別れ会の実施例があるか確認
- 業界での活動年数や専門性を確認
サービス内容の充実度:
- 提供されるサービスの範囲が明確か
- オプションの有無と内容
- 柔軟なカスタマイズが可能か
費用の透明性:
- 見積りの内訳が明確か
- 追加料金が発生する条件が明示されているか
- 支払い条件や方法が明確か
コミュニケーション能力:
- 担当者の対応や説明の丁寧さ
- 相談や質問への返答の迅速さ
- こちらの要望や意向をしっかり聞いてくれるか
緊急時の対応体制:
- 急な変更や問題発生時のサポート体制
- 代替案の提案能力
- 担当者不在時のバックアップ体制
お別れ会・偲ぶ会専門業者と葬儀社の違い
お別れ会・偲ぶ会の手配を依頼できる業者は大きく分けて以下の種類があります:
お別れ会・偲ぶ会専門業者:
- 特徴:セレモニーや会の演出に特化した専門知識
- 強み:創意工夫を凝らした個性的なプランニング
- 対応可能な施設:ホテル、レストラン、特別な会場など多様
- 料金体系:イベントプランナーとしての料金設定
葬儀社:
- 特徴:葬儀から一貫したサポートが可能
- 強み:宗教的な側面や慣習に関する知識が豊富
- 対応可能な施設:自社葬儀場や提携施設が中心
- 料金体系:葬儀と合わせた場合の割引などがある場合も
セレモニー・イベント会社:
- 特徴:幅広いセレモニー全般に対応
- 強み:洗練された演出やプログラム構成
- 対応可能な施設:多様な会場に対応可能
- 料金体系:一般的なイベント料金設定に準じる
お別れ会・偲ぶ会を検討する際には、故人の人柄や希望に合ったスタイルで開催することが重要です。専門業者は独自性の高い演出が得意である一方、葬儀社は一連の法要と合わせた対応がスムーズにできる傾向があります。
業者依頼時の打ち合わせポイント
業者との打ち合わせでは、以下のポイントを確認し、明確に伝えることが重要です:
基本情報の確認:
- 日時と会場の確定
- 参加予定人数と招待者の範囲
- 予算の上限と費用配分の希望
プログラム内容の擦り合わせ:
- 希望する式次第や進行の流れ
- 演出や余興に関する要望
- 弔辞や献奏など特別な演目の有無
細部の確認事項:
- 飲食内容とサービス方法
- 装飾や花の手配
- 音響・映像機器の使用計画
- 記念品や持ち帰り品の有無
その他の重要確認事項:
- キャンセル・変更の期限と条件
- 当日の進行管理の役割分担
- 雨天時など代替プランの有無
- 支払い方法と時期
打ち合わせでは具体的なイメージを伝えることが大切です。故人の好きだったものや思い出の品、写真などを持参すると、業者も理解しやすくなります。また、複数の業者から見積もりを取ることで、サービス内容や費用の比較ができ、より適切な選択が可能になります。
契約前の最終確認ポイント:
- 見積書の内容に漏れがないか
- 追加料金が発生する可能性がある項目
- キャンセルポリシーの詳細
- 担当者の連絡先と緊急時の対応体制
お別れ会・偲ぶ会は故人を偲び、参加者が共に思い出を分かち合う大切な機会です。準備と手配を丁寧に行い、心に残る会にしましょう。
お別れ会・偲ぶ会に参加する際のマナーと持ち物
お別れ会・偲ぶ会に参加する際は、通常の葬儀とは異なるマナーや準備が必要です。ここでは、参加者が知っておくべき服装、持ち物、香典などについて詳しく解説します。
服装のマナー(平服の意味と具体例)
お別れ会・偲ぶ会では案内状に「平服でお越しください」と記載されることが一般的です。平服とは、正式な喪服(ブラックフォーマル)よりもややカジュアルな、略喪服に相当する服装を指します。
平服の基本的な考え方:
- 基調は黒またはダークカラーを選ぶ
- 華美な装飾や派手な色は避ける
- 清潔感と品位を保つことを重視する
- 葬儀よりは柔軟だが、普段着のようなカジュアルさは避ける
案内状に特に指定がない場合は、葬儀ほど厳格ではありませんが、故人を偲ぶ場にふさわしい落ち着いた服装を心がけましょう。
男性の適切な服装
男性の平服は、以下のような組み合わせが一般的です:
ダークスーツスタイル:
- ダークカラーのスーツ(黒、ダークグレー、ダークネイビーなど)
- 白またはライトグレーのワイシャツ
- 地味な無地のネクタイ(黒、ダークグレー、ダークネイビーなど)
- 黒の革靴(光沢の少ないもの)
- 黒または濃紺の靴下
ジャケットスタイル(よりカジュアルな場合):
- ダークカラーのジャケット
- 白または薄いグレーのシャツ
- ダークカラーのスラックス
- 地味なネクタイ(省略可能な場合もある)
- 黒または濃い色の革靴
避けるべきもの:
- 派手な色や柄のネクタイ
- 光沢の強いアクセサリー
- スニーカーやカジュアルシューズ
- ジーンズなどのカジュアルな衣類
女性の適切な服装
女性の平服は、以下のようなスタイルが適切です:
ワンピーススタイル:
- 黒または濃い色のワンピース
- 黒または肌色のストッキング
- 黒のパンプス(ヒールは控えめなもの)
- 小ぶりなパールのアクセサリーなど(派手でないもの)
スーツスタイル:
- 黒または濃い色のスーツ(パンツスーツも可)
- 白または淡いグレーのブラウス
- 黒のパンプスまたはフラットシューズ
- 控えめなアクセサリー
セパレートスタイル:
- 濃い色のジャケットまたはカーディガン
- 濃い色のスカートまたはパンツ
- 白または淡い色のブラウス
- 控えめな靴とアクセサリー
避けるべきもの:
- 派手な色や柄の服装
- 露出の多い服装
- 大ぶりな装飾品やアクセサリー
- 光沢の強い素材
- 高すぎるヒールや派手な靴

香典・お供えの金額相場と包み方
お別れ会・偲ぶ会では、案内状の記載内容によって香典が必要かどうかが変わります。
香典が必要な場合と不要な場合:
- 会費制の場合:香典は不要(案内状に「会費○○円」と記載)
- 香典辞退の記載がある場合:香典は不要
- 上記の記載がない場合:香典を持参するのが一般的
香典の金額相場:
- 一般的な相場は1万円~2万円程度
- 故人との関係性によって調整(親しい間柄なら高め)
- 連名の場合は合計金額を考慮
香典の包み方と表書き:
- 不祝儀袋(黒白または銀の水引)を使用
- 表書きは「御霊前」「御仏前」「御香典」など
- 裏面には住所と氏名を記入
- 新札は避け、折り目のない札を包む
- お札は表を表にして包む
包み方の手順:
- お札を新しいものに交換(ただし新札は避ける)
- お札は中袋に入れる前に、表を上にして置く
- 中袋の表に金額を記入(省略可能)
- 中袋を不祝儀袋に入れる
- 表書きと裏書きを記入
参加者が準備すべき持ち物リスト
お別れ会・偲ぶ会に参加する際の基本的な持ち物は以下の通りです:
必須の持ち物:
- 案内状(会場や時間の確認用)
- 香典(会費制でない場合)
- ふくさ(香典を包む袱紗・不要な場合もある)
- 数珠(宗教的な要素がある場合)
- ハンカチ(白または地味な色が望ましい)
- 黒のボールペン(芳名帳記入用)
状況に応じて必要な持ち物:
- 会費(会費制の場合)
- メッセージカード(追加でメッセージを伝えたい場合)
- 名刺(ビジネス関係の場合)
- 扇子(夏場)
- ティッシュ
- 常備薬(必要な方)
持ち物の注意点:
- バッグは黒または濃い色の小ぶりなものを選ぶ
- 派手な装飾のあるものは避ける
- 持ち物は最小限にまとめるのがマナー
メッセージカードの書き方と例文
お別れ会・偲ぶ会で故人へのメッセージを伝えたい場合、メッセージカードを用意することがあります。主催者側で用意していることもありますが、自身で準備する場合もあります。
メッセージカードの基本:
- シンプルな白またはパステルカラーのカードを選ぶ
- 黒のペンで記入するのが一般的
- 簡潔で心のこもったメッセージを心がける
- 故人との思い出や感謝の気持ちを中心に書く
メッセージカードの例文:
- 感謝の気持ちを表す例: 「○○さん、長い間本当にありがとうございました。いつも温かく見守ってくださったこと、心から感謝しています。どうぞ安らかにお眠りください。」
- 思い出を共有する例: 「○○さんとの楽しかった日々を思い出しています。あの時の笑顔が今でも私の心に残っています。これからもその思い出を大切にしていきます。」
- 職場関係者からの例: 「○○さん、共に働けたことを誇りに思います。いつも的確なアドバイスと温かい励ましをありがとうございました。教えていただいたことを胸に、これからも頑張ります。」
- 友人からの例: 「○○へ。君との友情は私の宝物です。これからも見守っていてください。また会える日まで、元気でいるよ。」
- 簡潔な例: 「○○さん、安らかにお眠りください。生前のご厚情に心より感謝申し上げます。」
お別れ会・偲ぶ会は、故人との最後のお別れを静かに、そして心を込めて行う場です。適切な服装と持ち物で参列し、故人を偲ぶ気持ちを大切にしましょう。

お別れ会・偲ぶ会に関するよくある質問
- 葬儀に参列できなかった場合の対応
-
葬儀に参列できなかった場合、お別れ会・偲ぶ会は故人との最後のお別れをする貴重な機会となります。
葬儀に参列できなかった方の対応方法:
- お別れ会・偲ぶ会での挨拶:到着後、まず主催者や遺族に対して「葬儀に参列できずに申し訳ありませんでした」と一言添えるのがマナーです
- 香典や供花について:葬儀に参列できなかった場合でも、お別れ会・偲ぶ会に香典を持参するのが一般的です(会費制の場合は不要)
- 弔問の手紙や電話:お別れ会の前に、弔問の手紙や電話で遺族にお悔やみの気持ちを伝えておくと良いでしょう
- メッセージの準備:故人への思いを短いメッセージカードにまとめておくと、会場に設置される追悼ノートなどに残すことができます
葬儀に参列できなかった理由を長々と説明する必要はありません。簡潔に謝意を示し、故人を偲ぶ気持ちを大切にすることが重要です。
- 子供を連れて参加する場合の注意点
-
お別れ会・偲ぶ会への子供の参加については、一般的な葬儀よりも柔軟な対応が可能な場合が多いですが、いくつかの配慮点があります。
子供連れ参加の注意点:
- 事前確認:子供連れでの参加が可能かどうか、主催者に事前に確認するのがベストです
- 年齢に応じた対応:
- 乳幼児:静かにできない場合はすぐに退席できるよう、出入り口近くの席を選ぶ
- 小学生以上:故人との関係や会の意味について、年齢に合わせて事前に説明しておく
- 持ち物の準備:静かに過ごすための本やおもちゃ(音が出ないもの)を用意する
- 服装:派手な色や柄は避け、落ち着いた色の服装を選ぶ
- マナー指導:基本的な振る舞い方(静かにする、走り回らない、大声を出さないなど)を事前に教えておく
会の形式によっては子供向けのスペースが用意されている場合もありますので、主催者に確認してみるとよいでしょう。
- 急な訃報での対応方法
-
突然の訃報を受け、お別れ会・偲ぶ会への参加を検討する場合の対応方法です。
急な訃報を受けた際の対応手順:
- 情報収集:まず日時・場所・形式(服装の指定など)を確認します
- 参加の意思表示:できるだけ早く主催者に参加の意思を伝えます(人数把握のため)
- 準備すべきもの:
- 適切な服装:平服指定の場合は黒または紺のスーツ、濃い色のワンピースなど
- 香典:関係性に応じた金額を用意(会費制の場合は不要)
- 弔電:参加できない場合は弔電を送ることも検討
- 緊急時の服装対応:
- 男性:黒や紺のスーツがない場合は、できるだけ暗めの色のスーツで対応
- 女性:黒や紺、グレーなど落ち着いた色のワンピースやスーツで対応
急な参加でも、故人への敬意と遺族への配慮を忘れずに対応することが大切です。
- オンライン参加の選択肢と方法
-
近年では、遠方に住んでいる方や健康上の理由で直接参加が難しい方のために、オンラインでのお別れ会・偲ぶ会への参加が可能になってきています。
オンライン参加の方法と注意点:
- 事前確認:主催者にオンライン参加の可否と方法を確認する
- 利用されるプラットフォーム:
- Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議ツール
- YouTube Liveなどのライブ配信サービス
- 参加前の準備:
- 安定したインターネット接続の確保
- マイクとカメラの動作確認
- 画面に映る背景の整理(派手な背景は避ける)
- 服装は実際に参加する場合と同様に整える
- オンライン参加時のマナー:
- 発言する機会がある場合は簡潔に話す
- 主催者の指示に従い、適宜マイクをミュートにする
- 集合写真撮影などの際にはカメラをオンにする
- チャット機能を使って故人へのメッセージを送ることも可能
オンライン参加の際の心づけ:オンラインで参加する場合でも、後日香典や供花を送るのが一般的です。会費制の場合は、指定の口座に会費を振り込むなどの対応をします。
オンライン参加であっても、故人を偲ぶ気持ちと遺族への配慮を大切にすることに変わりはありません。事前に主催者とよく相談し、適切な参加方法を選びましょう。
お別れ会・偲ぶ会まとめ
お別れ会・偲ぶ会は、故人を偲び、関係者が集まって故人との思い出に浸る大切な機会です。葬儀とは異なり、宗教的な儀礼に縛られず、より自由な形式で開催できるのが特徴です。近年の葬儀の簡素化傾向に伴い、家族葬や直葬の後に別途お別れ会・偲ぶ会を開くケースが増えています。
開催時期は四十九日前後や一周忌など様々な選択肢があり、それぞれにメリットがあります。準備は約2ヶ月前から計画的に進めることで、心のこもった会を実現できます。会場選びから案内状の送付、当日の進行まで、丁寧な準備が大切です。
お別れ会・偲ぶ会は自身で企画することも可能ですが、経験や知見を持つ専門業者に依頼するほうが安心して準備を進められるでしょう。費用は内容によって変動しますが、一般的には会費制とすることで参加者の負担を分散させることができます。
参加する側も、服装や持ち物、マナーに配慮することで、故人への敬意を表すことができます。子連れの参加やオンライン参加など、様々なニーズに対応できるのもお別れ会・偲ぶ会の柔軟性の表れです。
最終的に大切なのは、故人との思い出を大切にし、関係者同士が心を通わせる場を作ることです。形式にこだわりすぎず、故人を偲ぶ気持ちを中心に据えた、温かみのあるお別れ会・偲ぶ会を目指しましょう。
お別れ会・偲ぶ会の無料相談:Story(ストーリー)