葬儀のマナー・知識

【神道・神式の葬儀】神葬祭だから仏式より費用が安いということは無い

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神道・神式の葬儀 神葬祭 葬儀のマナー・知識

神道や神式で行われる葬儀のことを神葬祭と呼びます。

神社や神宮と付き合いのある一部の家系で神葬祭は執り行われます。

仏式と比べて、葬儀の形式や必要な設備・道具など様々な点で違いはあります。

中でも、僧侶に支払うお布施(戒名料)が不要であることが取り上げられることが多く、戒名料が無いぶん費用が安くなるという誤った説明がなされることもあります。

実際のところは仏式と神式のどちらが安いかは明言できるものではなく、葬儀一つ一つの内容によります。

戒名料がないぶん、神式でしかかからない費用もあります。

ここでは、仏式と神式の葬儀の違いを踏まえて、神葬祭の費用感を見ていきたいと思います。

神式・神道の葬儀費用

神葬祭の数が少ないため費用相場がわからない

仏式の葬儀と比較すると、神葬祭の割合は非常に少なく、葬儀全体の1割未満です。

やや信憑性に欠けますが、日本消費者協会が2017年に行った「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書」においては葬儀全体の2.3%というデータもでています。

つまり、仏式に比べて神式・神道の葬儀の数が少ないため、「おおよそこのくらいの金額になるだろう」という相場が出せません。

そもそも、葬儀はその式の一つ一つで大きく金額が変動するもの。

他人の葬儀がいくらだったかという情報はあまり参考にしない方が良いでしょう。

戒名料がかからないが、代わりに玉串料がかかる

マルアイ 仏金封 玉串料 キ-8237

仏式にはお布施の一部として戒名料があります。

つけて頂く戒名のランクや宗派によってその金額は変動し、20万〜100万円ほどになると言われます。

この戒名はあくまでも仏教の慣習であるため、神式では戒名をつけることは無く、その費用(お布施)もいらなくなります。

では、お布施がない分安くなるかというとそんなことはなく、神式では玉串料という名目の出費が存在します。

お布施と同じように、神職・神宮や私達の立場によって金額も変動します。

「神式は戒名料が無いから安い」という言い方は誤りです。

雅楽の生演奏はそれなりに費用がかかる

神葬祭の特徴として雅楽の演奏があります。

基本的には生演奏となりますので、演奏者を呼ぶ分の費用がかかります。

これは仏式には無い費用項目ですよね。

中には、予算の都合で生演奏ではなく、雅楽CDなどの音源を使用する場合もあるようです。

これを厳密に生演奏とするか、どれくらいの規模でやるかなどは、その神職によっても考え方に違いかあります。

予算を抑えたいから生演奏は省略したいという要望が通るとも限りません。

その場合は、演奏者を呼ぶだけの費用がかかってきます。

法要は無いが式年祭がある

仏式では、葬儀とその後に各種法要があり、その都度お坊さんを読んで読経料などのお布施がかかります。

では、法要が無い神式ではその分費用が抑えられるかというとそうではありません。

神式では五年祭・十年祭などの式年祭があります。

葬儀費用見積りサービスのプラン価格は参考程度に

近年では、葬儀の見積りサービスが増え、一般にプランの価格が公開されるようになっています。

しかし、この葬儀プランの費用はあくまでも最低料金です。

実際に見積りをとったり、葬儀を執り行ったりしたら、インターネットで提示されていた費用から何十万円も追加になることは珍しくありません。

これは決してぼったくりとか詐欺的なことではなく、葬儀の価格なんて「見積りを取ってみないとわからない」ということです。

宗教も地域も参加人数も希望する葬儀内容も皆がみんな違うので当然ですよね。

ですので、例えば「葬儀社のプランを比較してみたら○○が安い(高い)」みたいな考え方はそもそもおかしいので気をつけましょう。

神式と仏式の葬儀の違い

おおまかに違いをまとめます。

仏式と神式の葬儀の違い
仏式 神式
依頼先 寺院 神社
施行人 僧侶 神宮
進行 読経 祝詞
捧げる 焼香 玉串奉奠
式の名称 お通夜
火葬式
告別式
通夜祭
火葬祭
葬場祭
法要 初七日
四十九日
など
十日祭
五十日祭
など

祭壇や道具の違い

仏式と神式では利用する祭壇や道具も異なり、見た目上の違いが出やすいところです。

神式祭壇

神道では神式祭壇と呼ばれるシンプルな白木の祭壇が使用されます。

仏式のように豪華に飾ったりはしませんので、祭壇に限って言えば費用が抑えられるかもしれませんね。

玉串

榊(さかき)の枝に木綿または紙をつけたものです。

こちらも神式特有のもので、仏式では使用しません。

初詣などで神社に参拝に行くと見かけるかもしれません。

神葬祭は神社でなく斎場か自宅で行う

神社では慎みごとの儀式は行えないことになっています。

また、神葬祭は故人の御霊をその家に留め、守護神・氏神として祀るための儀式とされています。

そのため、神葬祭を行うのは斎場を借りて行うか、自宅で行うかのどちらかになります。

菩提寺がなければ神式で葬儀を行うことも可能

基本的には神社と付き合いのある家系のみが神式での葬儀を行います。

しかし、他の人でも希望して神葬祭を行うこと自体は問題がないようです。

結婚式を協会で行う人もいれば、寺院で仏前式を行う人もいるのと同じですね。

ただし、菩提寺があり、お寺の檀家となっている場合は、他の宗教・宗派での葬祭は認められませんので注意してください。

後々に戒名はつけられないとか、寺院墓地に納骨できないなどのトラブルが予想されます。

神式・神道の葬儀まとめ

仏式と神式では、必要な儀式や道具は異なりますが、宗教儀式として代わるものが別の名称で存在していたります。

単純に、「仏式で言う○○が無いから安い」という考え方は乱暴です。

葬儀は同じ内容のものは存在しませんので、自分が希望する葬儀の見積りを取ってみないことにはいくらになるのかは誰にもわかりません。

根拠のない「安い」に騙されないように、必要であれば見積りサービスを利用しましょう。

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