葬儀の互助会とは会費を積立て、会員どうしの相互補助を目的とした仕組みです。
葬儀だけでなく、結婚式など冠婚葬祭に利用することができます。
互助会に加入していると積立金分(24万円)の控除を受けられるのに加えて、会員の優待割引で設備やサービスを受けることができます。
しかし、保険や貯金のように金利がつくわけではなく、現金で利用することもできません。
冠婚葬祭のサービスを受ける以外に互助会の恩恵を受けることができない点も考慮して、加入するかどうかを考えたほうが良いです。
メリットやデメリットについてまとめますので、互助会加入の参考にしていただければ幸いです。
互助会とはそもそもどんな組織なのか
互助会とは会員が掛け金を積み立てることにで相互補助を目的とした仕組みです。
冠婚葬祭補助会はもともと戦後の所得水準が低く物資が不足していた時代に、相互補助を目的として発足したという背景があります。
現在においては互助会に積立をすることによって、冠婚葬祭が発生した場合に掛け金から金額的な補助がでたり、互助会に加盟している施設を利用できるといった特典があります。
ただ、互助会に加入していたからといって必ずしもお得に葬儀ができるわけではありません。
互助会に入る利点も欠点もありますので、メリットが上回ると予想できる人だけ加入すべきと思います。
葬儀に関して言えば、一般葬など比較的規模の大きい葬儀をする予定の人であれば互助会に入会してもいいかもしれません。
平成に入ってからは徐々に葬儀の規模は縮小傾向にあるので、互助会が必要ない・加入しても特にメリットが得られない状況にある人の割合が増えていると思います。
次から互助会の内容をまとめますので、ご自身とご家族にとって必要なものかどうかの参考にしていただければと思います。
互助会に加入すると何がどうお得なのか
一応、一般的に互助会のメリットとされているものと、互助会自体がメリットとして推している内容について書きます。
会員優待割引
互助会のメインの特典です。
葬儀を行う場合は支払った満額24万円分の控除の他に、21万円分の優待割引が受けられます。
支払った24万円分が控除されるのは当然の権利。
優待の21万円分の割引が得られるのが互助会の最大のメリットであり、これがデメリットを上回る人は互助会に入る選択をする意味があります。
葬儀が発生したら電話一本で対応
葬儀が必要になったら場合に電話をすると必要な手続きや手配などを行ってくれるようです。
ただ、正直どこの葬儀社も普通は電話一本で対応して貰えます。
葬儀社を探したり検討する必要が無いという意味ではメリットかもしれません。
経済産業省が許可を出している
互助会の信頼性アピールのために「経済産業省が許可」と謳っていると思われます。
これは互助会が割賦販売法(かっぷんはんばいほう)の対象業者になっており、経産省に届け出ないと営業できないというものです。
割賦販売法とはクレジットカードなども対象です。
要は、先払いとか分割払いなどが関わってくるものですね。
ですので、経済産業省が許可を出しているからと言って特別に安心・安全なものというわけではありません。
契約内容は一生補償
掛け金を満額まで払い終わったあと、将来にわたって互助会の権利を使えるということ。
掛け金を払い終わると互助会の特典や割引を利用できるようになりますが、その権利を使うための利用期間に制限はありません。
10年後、20年後でも使えます。
とは言っても、掛け金を払っても互助会の特典を受ける以外には特に得られるものはありませんし、掛け金が戻ってくるわけでもありません。
つまり、互助会を利用する権利が失効する方がおかしいですし、一生補償は当たり前の条件かと思います。
家族も利用可能
互助会に加入していれば本人以外の家族でも利用可能です。
例えば、お父さんが葬儀のために加入していたけど、その前にご息女様の結婚式に権利をつかったりなど。
ただ、あくまでも同居の家族だけに適用されるようです。
親族・知人・友人に互助会の権利を譲渡することも可能ですが、手数料がかかります。
景気や物価に左右されない
将来的に景気・物価が変動しても影響が無いというのは、互助会の権利がお金でなくサービスで提供されるからです。
保険などお金が返ってくるものであれば、将来の金利変動によりもらえる金額も変わる可能性があります。
互助会はあくまでも葬儀費用の補助という形ですので、具体的に金額がどうこうの話にはならないということです。
ですので、物価・景気に左右されないからといってメリットもデメリットもないように感じます。
全国どこでも利用できる
互助会は加盟している団体であれば全国どこでも利用できますので、途中で引っ越しして住所が変わっても利用できます。
全国に約300社あります。
ただ、互助会は2つに別れていてそれぞれの団体内でのみ移動可能です。
- 一般社団法人全国冠婚葬祭互助協会
- 全国冠婚葬祭互助会連盟
一般社団法人全国冠婚葬祭互助会が全体の8割なので、もし移動する予定がある人は、そちらの方が移動先で提携業者を探しやすいです。
互助会費・解約について
24万円を分割か一括
互助会の掛け金は満額24万円です。
- 3000円×80回
- 5000円×48回 など
月々の掛け金を決めて24万円分まで積み立てます。
なお、一括で支払う方法も用意されており、その場合は24万円より若干安くなるようです。
もし、満額まで支払う前に権利を利用したい場合は残額分を一括で支払って利用することになります。
金利はつかない
互助会はお金を積み立てておいても金利などは付きません。
あくまでも互助会の権利を使ってサービスを受けることでだけ積み立てた利益を得られます。
手数料を支払って途中解約が可能
互助会は途中解約も可能です。
ただし、解約の手数料がかかりますので、積み立てたお金の全てが返ってくることはありません。
なお、手数料は積み立てている金額や回数によって変わります。
保険など金利がつく商品であれば、タイミングによっては途中解約してもマイナスにならなかったりするのですが、互助会の場合は途中解約は100%損をします。
つまり、互助会に加入するのであれば権利を使って積み立てた分の利益をとるか、損になることを了承して解約するかどちらかしかありません。
互助会の注意点とデメリット
公的機関でなく株式会社である
これはよく言われることですが、互助会はあくまでも株式会社であって、国や役所の機関ではありません。
そのため、当然経営が悪化したら倒産の可能性もゼロではありません。
規模が大きいのでいきなり潰れたりする可能性は低いと思いますが10年20年スパンで考えるとどうなっているかわかりません。
冠婚葬祭などいつ必要になるのかわかりませんので、その点を考慮する必要はあるでしょう。
小規模な葬儀を行う場合は積み立てる必要がないかもしれない
互助会は24万円分の控除と、21万円の優待割引が特典です。合計45万円ですね。
ただし互助会は葬儀にかかった費用の全てを補償してくれるわけではありません。
葬儀にかかる費用は大きく「葬儀本体費用」「返礼品費用」「飲食費」「お布施」です。
この中で互助会の補償が効くのが主に葬儀本体の費用の部分。
一般葬など規模が大きい葬儀であれば、45万円分の控除をする意味がありますが、そもそも小規模の葬儀であれば葬儀本体に45万円かかるかどうかわかりません。
時代の流れとして葬儀の規模は縮小傾向にありますし、将来的にどんな葬儀をすることになるかもわかりません。
積み立てたはいいけど、その分のメリットを享受できずに終わる可能性もあることを考慮すべきです。
互助会の加入方法
互助会員からの勧誘や紹介
互助会は勧誘というか営業活動のようなものもしています。
都心部だとあまりないかもしれませんが、地方だと勧誘に回っているお姉様方がいらっしゃいます。
ちょうど私も実家に帰省している時に、勧誘が来まして家主が不在なことを伝えたら、案内ハガキだけ置いていきました。
このように知り合いや近所付き合いで加入することもできます。
インターネットでオンライン加入もできる
インターネットのホームページからでも入会できるようになっています。
ご自身の住んでいる地域にある互助会のホームページを探して入会できます。もちろん電話をしても大丈夫です。
ごじょくるというポータルサイトが全国の互助会を検索して探せるようになっています。
一旦資料だけ請求することもできますので、詳しく知りたい人は問い合わせてみてください。