【女性の喪服完全ガイド】葬儀の服装・持ち物マナー|2025年最新版

葬儀や通夜に参列する際に着ていく服装といえば喪服ですが、多くの女性が「どのような服装が適切なのか」「必要な持ち物は何か」と悩まれています。実は喪服には正喪服・準喪服・略喪服という3種類があり、参列する立場によって着用すべき服装が異なります。

知らないうちにマナー違反をしてしまうことがないよう、葬儀という厳粛な場にふさわしい服装選びが重要です。特に女性の場合は、アクセサリーメイク髪型まで気を配る必要があります。

この記事では、女性が葬儀に参列する際の服装と持ち物について詳しく解説します。故人を偲ぶ大切な場で失礼のない装いをするために、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること:

  • 喪服の購入方法価格相場
  • 女性の正喪服・準喪服・略喪服の違いと選び方
  • 葬儀に必要な持ち物リスト(ハンカチ、数珠、袱紗など)
  • アクセサリー・メイク・ヘアスタイルのマナー
  • 大学生・子供の喪服マナー

葬儀に参列する女性の持ち物チェックリスト

葬儀や通夜に参列する際は、適切な持ち物を準備することで、マナーを守りながら故人を偲ぶ大切な時間を過ごせます。女性が葬儀に持っていくべき必須アイテムとそれぞれの選び方について解説します。

必須の持ち物リスト

葬儀参列時に女性が持っていくべき必須アイテム:

  • ハンカチ(白または黒):汗や涙を拭くために必要
  • 数珠:焼香や読経の際に使用
  • 袱紗(ふくさ):香典を包んで持ち運ぶため
  • 財布・現金(香典用):受付で香典を渡す
  • スマートフォン(マナーモード必須):緊急連絡用
  • 黒のフォーマルバッグ:上記アイテムを収納

持ち物別のマナーと注意点

ハンカチの選び方とマナー

ハンカチは葬儀で汗を拭いたり、涙をぬぐったりするために必要な持ち物です。白色か黒色のフォーマルなデザインのものを選べば、マナー違反にはなりません。

ハンカチに関する基本的なポイント:

  • 派手な色や柄は避け、シンプルな白または黒を選ぶ
  • レース付きのものでも問題ない
  • 特別に冠婚葬祭用のものでなくても構わない
  • 複数枚持参すると安心(特に暑い時期や感情的になりやすい場合)

数珠の選び方と使い方

数珠は葬儀や通夜で焼香をする際に必要となります。宗派によって正式な数珠は異なりますが、一般的な参列者は略式の数珠で問題ありません。

数珠選びのポイント:

  • 女性用は男性用よりやや小ぶりのものを選ぶ
  • 素材や色に厳密な決まりはないが、黒や茶色の落ち着いた色が無難
  • 略式数珠は仏具店100円ショップでも購入可能
  • 初めて購入する場合は略式数珠が扱いやすい

数珠の持ち方は、右手に二重にかけて持つのが基本です。使わないときはバッグにしまっておきましょう。

袱紗(ふくさ)の選び方と包み方

**袱紗(ふくさ)**は香典(不祝儀袋)を持ち歩く際に包むための布です。袱紗がない場合は、ハンカチで代用することもできますが、可能であれば弔事用の袱紗を用意しましょう。

袱紗の選び方:

  • 弔事用の袱紗は紫色か黒色が基本
  • 金封袱紗(簡易タイプ)が初心者には扱いやすい
  • 包み方が分からない場合は、あらかじめ練習しておく
  • 価格は1,000円〜10,000円程度

バッグ・鞄の選び方

葬儀に持っていくバッグは、冠婚葬祭用・弔事用として販売されているものを選ぶのが無難です。わざわざマナーや知識を確認する必要はなく、「冠婚葬祭」「弔事」「ブラックフォーマル」のジャンルのバッグを選べば問題ありません。

フォーマルバッグ選びの基本ルール:

  • 布製を選び、革や光沢のあるものは避ける(動物の革は殺生を連想させるため)
  • 色は黒一色が基本(グレーやネイビーも避ける)
  • 派手な金具や装飾は避ける(光り物はNG)
  • 柄やブランドロゴがないシンプルなデザイン
  • リボンや装飾は控えめか無いものを選ぶ
  • 手持ちのハンドバッグタイプが基本(ショルダーバッグやリュックは避ける)
  • 持ち物に合わせた適切なサイズのものを選ぶ

持ち物がハンドバッグに入らない場合は、サブバッグ(弔事用のA4サイズくらいのバッグ)を追加で持参しても構いません。弔事用のハンドバッグとサブバッグのセットも販売されています。

女性の喪服の種類と基礎知識

遺族よりも格式の高い服装をするとマナー違反となってしまうので、参列する際は自分の立場に合った喪服を選ぶことが大切です。女性が葬儀に参列する際は、スーツやインナー、靴やバッグなど全て黒で統一された服装を心がけましょう。

喪服と礼服の違い

礼服とは冠婚葬祭で着用する正式な服装の総称で、結婚式などの「慶事」と葬儀などの「弔事」の両方で使われる言葉です。一方、喪服は弔事専用の礼服を指します。

喪服と礼服の主な違い:

  • 礼服は慶事・弔事両方に使用できる正式な服装
  • 喪服は弔事専用の黒い礼服
  • 一般的に「ブラックフォーマル」と呼ばれるのは喪服を指すことが多い

葬儀では、参列者の立場によって着用すべき服装の格式が異なり、喪服は「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類に分かれています。

正喪服(喪主・遺族・親族向け)

正喪服は最も格式の高い喪服で、葬儀や法要などで喪主や遺族、親族が着用します。一般参列者が正喪服を着用するのはマナー違反となるため注意しましょう。

和装正喪服のルール

和装の正喪服は黒無地の五つ紋付きが基本です。現代ではほとんど見かけることはありませんが、伝統的な家庭や格式高い葬儀では着用されることもあります。

正喪服礼服の女性

和装正喪服の特徴:

  • 黒無地の着物に黒の帯
  • 五つ紋付き(家紋が入ったもの)
  • 黒塗りの草履

洋装正喪服のデザインと選び方

洋装の正喪服はワンピースやアンサンブル、スカートスーツが該当します。

洋装正喪服を選ぶポイント:

  • 装飾がほとんどないシンプルなデザイン
  • 襟元が詰まっている閉鎖的なスタイル
  • スカート丈が長め(足首まで)のもの
  • 可能な限り肌の露出を抑えたデザイン
  • 光沢がなく、素材は織り目の細かいもの

夏場であってもノースリーブのワンピースや極端に袖が短いもの、胸元がざっくり開いているデザインは避けましょう。

準喪服(一般参列者向け)

準喪服は正喪服の次に格式が高く、遺族や親族だけでなく一般参列者も着用できるため、最も使う機会の多い喪服です。初めての喪服を購入する場合は準喪服がおすすめです。

準喪服の基本:

  • 装飾は控えめな範囲内で許容される
  • スカート丈はやや長め(ふくらはぎ辺り)のものを選ぶ
  • 黒のビジネススーツは準喪服にはならないので注意

ワンピースタイプの選び方

ワンピースタイプは年齢問わず着用できる無難な装いです。

以下のポイントに注意して選びましょう:

  • ジャケットと合わせればオールシーズン対応可能
  • ノースリーブのワンピースは肌の露出が増えるためNG
  • 半袖の場合は必ずジャケットを羽織る
  • 丈は膝下~ふくらはぎまでのものを選ぶ

アンサンブルタイプの選び方

アンサンブルタイプはワンピースとジャケットがセットになった形式で、フォーマル度が高く、準喪服として最も一般的です。

アンサンブル選びのポイント:

  • ワンピースとジャケットの素材や色味が統一されているもの
  • ジャケットは襟付きで前開きのシンプルなデザイン
  • ワンピースは膝下丈で露出を控えたデザイン

スーツタイプの選び方とマナー

スーツタイプはスカートとパンツスーツに分かれますが、どちらも準喪服として着用可能です。

スーツタイプ選びのポイント:

  • スカートスーツが無難だが、パンツスーツも許容範囲
  • ブラウスやシャツなどのインナーは白ではなく黒を着用するのがマナー
  • 黒のブラウスは襟元が詰まっているものを選ぶ
  • パンツスーツはストレートかワイドタイプを選び、細身は避ける

パンツスーツは現代では広く受け入れられていますが、地域や参列する葬儀の格式によっては好ましくないと考える方もいるため、状況に応じて判断しましょう。

略喪服(通夜・急な参列時向け)

略喪服は喪服の中で最も格式が低く、通夜や急な参列で喪服の準備ができない時に着用します。正喪服や準喪服がない場合の代替として理解しておきましょう。

許容される色とデザイン

略喪服として許容される服装:

  • ダークグレーや紺のシンプルな服装
  • 控えめなストライプなど、控えめなデザインは許容範囲
  • 装飾は極力控えめなもの
  • スカート丈は膝丈程度でも許容される

ビジネススーツとの違い

略喪服としてはビジネススーツやリクルートスーツでも問題ありません。ただし、正式な喪服ではないことを認識して着用しましょう。

ビジネススーツを略喪服として着用する際の注意点:

  • できるだけシンプルな黒のスーツを選ぶ
  • 光沢のある素材や派手な装飾は避ける
  • インナーは白よりも黒や濃いグレーが望ましい
  • アクセサリーは最小限に抑える

略喪服は急な参列や通夜の際に着用するもので、時間に余裕がある場合や本葬には可能な限り準喪服以上の服装で参列するのがマナーです。

女性の喪服コーディネート完全ガイド

葬儀や通夜に参列する際は、服装だけでなく小物や身だしなみにも気を配ることが大切です。ここでは、女性の喪服に合わせるアクセサリーやメイク、髪型、ストッキング、靴について、最新のマナーを詳しく解説します。

アクセサリーのマナー

葬儀や通夜でのアクセサリーは、必要最低限のものだけを身につけるのが基本です。華美な装飾品は故人への敬意を欠くと捉えられることがあるため注意しましょう。

パールネックレスの選び方

  • 一連のシンプルなデザインを選びましょう
  • 二連以上のものは「不幸が重なる」という言い伝えがあり避けるべきです
  • 光沢が控えめな真珠の大きさが6〜8mm程度のものが適切です

指輪・時計の選び方

  • 指輪は結婚指輪のみが基本です
  • 時計は黒や銀の落ち着いたデザインを選び、ゴールドや装飾が目立つものは避けましょう
  • ブレスレットなどの装飾品は外すのがマナーです

アクセサリーは「身だしなみ」の一環として最低限のものを身につけ、「おしゃれ」としての装飾は控えるという認識が重要です。

メイクのマナー(薄化粧・片化粧)

葬儀や通夜で行うメイクは「片化粧」と呼ばれ、薄めの自然なメイクを心がけます。派手な印象を与えないよう、控えめであることがポイントです。

基本の薄化粧の方法

  • ベースメイクは光沢が出ないマットなタイプを選びましょう
  • 眉は自然な形と色に整え、濃すぎないようにします
  • リップは血色程度の薄いピンクやベージュを選び、グロスなど光沢のあるものは避けます

NGとなるメイク

  • 赤や濃いピンクなどの目立つ口紅
  • パール入りやラメ入りのアイシャドウ
  • 濃いチーク
  • カラーコンタクトや派手なつけまつげ

ナチュラルに見せるポイント

  • コントゥアリングなどの凝ったテクニックは避け、シンプルなメイクを心がける
  • 目の下のクマやくすみは薄く隠す程度にする
  • 肌の色ムラを整える程度のナチュラルメイクを目指す

化粧は「身だしなみ」としては必要ですが、ノーメイクも適切ではありません。故人を偲ぶ厳粛な場にふさわしい、控えめなメイクを心がけましょう。

髪型のマナー

葬儀では、お辞儀や焼香の際に髪が顔にかからない、邪魔にならない髪型が求められます。また、派手な印象を与えないよう、落ち着いた髪色も大切です。

長さ別おすすめヘアスタイル

  • ロングヘア:一つにまとめたポニーテールやシニヨン、フォーマルな印象の「ギブソンタック」が適切
  • ミディアムヘア:ハーフアップやサイドに寄せてまとめるスタイルが実用的
  • ショートヘア:シンプルにセットし、顔にかからないよう整えるだけでOK

髪色についての注意点

  • 黒髪が基本とされていますが、明るすぎない落ち着いた茶色なら許容される場合もあります
  • 赤みの強い色や金髪、グラデーションカラーなど派手な髪色は避けるべき
  • 急な葬儀で髪色を変える時間がない場合は、黒のヘアバンドなどで目立たなくする工夫も有効

ヘアアクセサリーのルール

  • 黒や紺など落ち着いた色の小さなヘアピンは使用可能
  • カチューシャや大きなバレッタなど装飾的なアクセサリーは避ける
  • 光沢のある金属製のアクセサリーよりも、マットな素材のものを選ぶ

髪型は見た目だけでなく、葬儀の場での礼儀作法をスムーズに行うための実用性も重要です。事前に鏡の前で、お辞儀をした際に髪が邪魔にならないか確認しておくとよいでしょう。

ストッキングの色と選び方

女性が葬儀に参列する際は、ストッキングの着用が必須です。季節を問わず、素足での参列はマナー違反となります。

黒ストッキングの選び方

  • 20〜30デニール程度の厚さが一般的で、肌が若干透けて見える程度が適切
  • 極端に厚いタイツは避け、通常のパンティストッキングを選ぶ
  • 無地のものを選び、網タイプやラメ入りは不適切

肌色・ベージュの使い分け

  • 通夜では黒以外に肌色やベージュも許容される場合がある
  • 夏場の葬儀では、黒が基本ながら明るすぎないベージュ系も状況によっては可能
  • 重要なのは極端に目立たないことと、周囲との調和を意識すること

デニール数の目安

  • 20デニール:やや薄手で夏場に適している
  • 30デニール:標準的な厚さで一年中使える
  • 50デニール以上:冬場や体調不良時など特別な場合のみ

ストッキングの選択は、「黒の標準的なストッキング」を基準に考え、周囲から浮かない選択をすることが大切です。

靴の選び方

葬儀に適した靴は、黒色のシンプルなデザインであることが大前提です。喪服と同様、装飾の少ない落ち着いたものを選びましょう。

パンプスの選び方

  • 黒の革製またはエナメル素材が一般的
  • つま先が丸みを帯びた形状スクエアトゥが無難
  • 装飾やリボン、大きなバックルなどがないシンプルなデザインを選ぶ

ヒールの高さと注意点

  • 3〜5cm程度の低〜中ヒールが理想的
  • 7cm以上の高すぎるヒールは避ける
  • 長時間立ったり歩いたりすることもあるため、安定感のあるヒールを選ぶ

NGとなる靴のデザイン

  • スニーカーやサンダルなどのカジュアルシューズ
  • ピンヒールやプラットフォームなどの極端なデザイン
  • オープントゥやストラップの多い装飾的なもの
  • 光沢の強い金具やスタッズがついたもの

靴は「黒の革製パンプス」を基本とし、派手すぎず、かつ葬儀の流れの中で長時間履いていても苦痛にならない実用性も考慮しましょう。サイズが合っていない靴は、マナー以前に参列中の集中力を妨げる原因になります。

特別なケース別の喪服マナー

大学生・学生の服装について

大学生になると、葬儀への参列時の服装選びに悩むことが増えてきます。特に女子大学生は、正式な喪服を持っていないケースが多いでしょう。

女子大学生向けの服装選びの基本は、できるだけ黒色の落ち着いた服装を選ぶことです。女子大学生で既に社会人用の準喪服をお持ちの方は、それを着用するのが最適です。しかし、多くの学生はまだ喪服を購入していないため、次善の策を考える必要があります。

制服がない場合の対応としては、黒またはダークネイビーの地味なスーツが適切です。大学によっては制服があるケースもありますが、ほとんどの大学では自由服です。中高生の場合は制服が正装にあたるため、そのまま参列することができます。

リクルートスーツでの参列マナーについては、注意点があります。まず、リクルートスーツと喪服は別物であることを理解しましょう。ただし、学生という立場を考慮して、以下のポイントに気をつければ許容されます:

  • お通夜の場合:グレーや紺などの地味な色のリクルートスーツでも問題ありません
  • 葬儀の場合:黒色のリクルートスーツであれば許容される傾向があります
  • 靴・バッグ・インナー:喪服用の黒色を選び、マナー違反にならないよう配慮する

高校生以下の学生と異なり、大学生は成人に近い存在として扱われることが多いですが、学生という立場も考慮されます。社会人ほど厳格ではなくても、できる限りマナーに配慮した服装を心がけましょう。

子供の服装について

子供の葬儀参列時の服装は、年齢によって適切な選択が異なります。

年齢別の適切な服装としては、小学生以下のお子さんの場合、略喪服と同様の感覚で地味な平服で参列するのが良いでしょう。具体的には:

  • 幼児・未就学児:黒や紺、グレーなどの落ち着いた色の服
  • 小学生低学年:地味な色のワンピースやスーツ(女子)、ダークカラーのジャケットやシャツ(男子)
  • 小学生高学年:中学生に準じた服装が理想的

幼いお子さんに完全な黒服を着せる必要はありませんが、派手な色や柄物は避けるようにしましょう。

制服での参列については、中学生・高校生の場合、制服が正装となりますので、そのまま参列することが適切です。制服は学校を代表する正式な服装とみなされるため、喪服の代わりとして問題ありません。制服のジャケットやブレザーがある場合は着用し、靴下やストッキングは黒色を選ぶようにしましょう。

子供の参列マナーで重要なのは、年齢に合った適切な振る舞いができるように事前に説明しておくことです。特に小さなお子さんの場合、静かにできないようであれば、葬儀の場に長時間連れて行くことは避けた方が良いケースもあります。

喪服に合わせるコート選び

葬儀や通夜は冬場や早朝、夕方に行われることも多く、防寒対策が必要になるケースがあります。

季節別の防寒対策としては、冬場は本格的なフォーマルコートが理想的です。秋や春の肌寒い時期には、黒色の薄手のコートやジャケットが適しています。夏場は基本的にコートは必要ありませんが、冷房対策として黒のショールやボレロを持参するとよいでしょう。

フォーマルコートの選び方のポイントは、以下のとおりです:

  • 色は黒色を選ぶ
  • シンプルなデザインで装飾が少ないもの
  • 素材は上質なウールやカシミヤなどが適切
  • 丈は喪服より短いか同じくらいの長さが理想的

カジュアルコートを着るべきでない理由は、葬儀という厳粛な場にふさわしくないためです。特に避けるべきコートには:

  • ダウンジャケットなどのスポーティなデザイン
  • 派手な色や柄のコート
  • フード付きのカジュアルなデザイン
  • ファーなど動物素材の装飾が目立つもの

もし専用のフォーマルコートを持っていない場合は、できるだけ黒色で地味なデザインのコートを選びましょう。ただし、真冬の厳寒期など、やむを得ない場合は黒色のダウンコートなども許容される傾向にあります。このような場合は、会場に入る前に脱いで、クロークに預けるのがマナーです。

喪服の購入方法と価格帯について

喪服の購入・準備ガイド

葬儀に参列するための喪服は、マナーを守りながら適切なものを選ぶことが大切です。ここでは女性の喪服選びのポイントから、購入方法、レンタルまで詳しく解説します。

喪服の選び方ポイント

女性の喪服は、立場や場面に応じて適切なものを選ぶ必要があります。基本的にブラックフォーマルとして販売されているものから選ぶと間違いありません。

ジャケット選びのコツ

  • 季節を考慮した素材を選ぶ
  • 装飾が少なくシンプルなデザインのものを選ぶ
  • 単品でも使えるよう汎用性の高いものが実用的

ジャケットはワンピースと組み合わせることで、オールシーズン対応可能になります。特に夏場はジャケットを脱いでワンピースのみ、それ以外の季節はジャケットを羽織るという使い方ができます。

スカート丈の選び方

  • 準喪服なら膝より下(ふくらはぎ辺り)
  • 正喪服なら足首より下の長めの丈
  • 動きやすさを考慮し、タイトすぎないフレアスカートがおすすめ

スカートは華美でなければ特にルールはありませんが、葬儀では何度も座ったり立ったりするため、タイトスカートよりフレアスカートの方が動きやすく適しています。

インナー選びのポイント

  • 喪服に合わせるのは白ではなく黒のインナー
  • 襟元が詰まっている黒のブラウスが一般的
  • 襟元が開いている場合はスカーフで首周りを隠すことも可能

多くの方が誤解していますが、葬儀でスーツを着用する際は白ではなく黒のインナーがマナーです。襟元は肌の露出を抑えたものを選びましょう。

購入方法と価格帯

喪服の購入場所は種類によって異なります。予算と用途に合わせて選びましょう。

和装正喪服

  • 購入場所:呉服店
  • 価格帯:着物同様にピンキリ(店頭で相談するのが確実)

洋装準喪服

  • 購入場所:スーツショップ紳士服店百貨店・デパート
  • 価格帯:一式で3〜5万円程度

オンラインショップでの購入も可能です。サイズがわかれば、実店舗に行く時間がない方でも手軽に購入できます。ブラックフォーマル弔事用のカテゴリから選ぶようにしましょう。

喪服一式の価格相場

  • ワンピース/アンサンブルのセット:2〜3万円
  • 靴:3000〜5000円
  • バッグ:3000〜5000円
  • パールネックレス:5000〜1万円
  • ハンカチ:1000円
  • 数珠:1000〜1万円
  • 袱紗(ふくさ):1000〜1万円
  • ストッキング:1000円

合計すると、一式揃えると3〜5万円程度が目安になります。頻繁に使用するものではないため、シンプルで長く使えるデザインを選ぶと良いでしょう。

喪服のレンタルについて

喪服のレンタルは、急な葬儀や購入する予算がない場合に便利な選択肢です。

レンタルのメリット

  • 初期費用を抑えられる(購入より安価)
  • 保管場所が不要
  • サイズ選びに失敗するリスクが少ない(試着可能なサービスも)

レンタルの料金相場は、二泊三日で約6000円程度からとなっています。クリーニング代が含まれているサービスが一般的です。

レンタル手続きの流れ

  1. インターネットや電話で予約
  2. 店舗での受け取りまたは宅配で到着
  3. 使用後、返却期限内に返送または返却

返却時の注意点として、汚れや破損があった場合は追加料金が発生することがあります。また、返却期限を過ぎると延長料金がかかるケースが多いので注意しましょう。

女性の喪服は頻繁に使用するものではないため、レンタルサービスは特に若い方や予算を抑えたい方におすすめの選択肢です。ただし、今後も使用機会が見込まれる場合は、長く使えるシンプルなデザインの喪服を購入するのも賢明な選択と言えるでしょう。

よくある質問(FAQ)

準喪服と略喪服の違いは?

準喪服略喪服の主な違いは格式と許容される範囲です。準喪服は正喪服の次に格式が高く、一般参列者が着用するのに最適な喪服です。ワンピース、アンサンブル、スーツなどがあり、目立たない範囲での装飾が許容されます。初めて喪服を購入する場合は準喪服がおすすめです。

一方、略喪服は喪服の中で最も格式が低く、通夜や急な参列で喪服の準備ができない場合に着用します。ダークグレーや紺のビジネススーツでも問題なく、控えめなデザインであればストライプ柄なども許容範囲です。ただし、あくまでも準喪服の代わりとして着用していることを意識しましょう。

パンツスーツは喪服として適切?

パンツスーツは基本的に準喪服として着用できます。ただし、中にはパンツスーツは喪服にふさわしくないと考える方もいるため、状況によって判断することが大切です。特に格式の高い葬儀では、スカートタイプを選ぶ方が無難でしょう。パンツスーツで参列する場合は、他の部分(バッグや靴、アクセサリーなど)のマナーをしっかり守り、全体として弔事にふさわしい装いを心がけてください。

黒のリクルートスーツでも大丈夫?

黒のリクルートスーツは通夜や略式の葬儀であれば許容される場合がありますが、正式な葬儀では避けるべきです。黒色であっても、ビジネススーツ弔事用のブラックフォーマルは異なります。本来は弔事用やブラックフォーマル用として販売されているものを選ぶべきですが、学生など若い世代の場合は黒色のリクルートスーツでもある程度許容されるでしょう。その場合でも、バッグや靴、小物などのマナーには特に気を配りましょう。

白いブラウスは喪服に合わせても良い?

喪服に合わせるインナーは白ではなく黒を着用するのがマナーです。一般的には黒のブラウスを選び、襟元が詰まったデザインのものが望ましいとされています。白いブラウスは明るい印象を与えるため、弔事の場には相応しくないと考えられています。黒のブラウスをお持ちでない場合は、できるだけ暗い色合いのものを選ぶか、黒のジャケットで白い部分が目立たないようにしましょう。

パールネックレスは必須?

パールネックレスは必須ではありませんが、葬儀での女性のアクセサリーとしては最も一般的で適切な選択肢です。アクセサリー類は結婚指輪やパールのネックレスなど最低限のものだけを身に着け、それ以外はすべて外すのがマナーです。パールを身に着ける場合は、一連のものを選びましょう。二連以上のパールネックレスは「不幸が重なる」として縁起が悪いとされ、マナー違反となります。パールをお持ちでない場合は、シンプルで控えめなデザインのネックレスか、アクセサリーを身につけないという選択肢もあります。

まとめ

葬儀に参列する女性の服装選びは、故人への敬意を示す大切な要素です。自分の立場(喪主・遺族・親族・一般参列者)に応じた適切な喪服を選ぶことがまず重要です。正喪服は最も格式が高く喪主や近親者向け、準喪服は一般参列者が選ぶべき標準的な喪服、略喪服は急な参列時などに着用するものと使い分けましょう。

喪服選びでは、黒色を基調とし、肌の露出を控え、華美な装飾を避けることが基本原則です。インナーも白ではなく黒を選び、靴やバッグも黒の控えめなデザインのものを合わせます。服装だけでなく、メイクは薄化粧(片化粧)を心がけ、髪型は清潔感があり邪魔にならないスタイルに整えることも重要です。

持ち物については、数珠袱紗ハンカチなどの必需品を事前に準備しておくと安心です。アクセサリーは最小限に抑え、パールネックレスを選ぶ場合は一連のものを選びましょう。これらのマナーを守ることで、故人を偲ぶ厳粛な場にふさわしい参列が可能になり、遺族の心情に配慮した対応ができます。

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