葬儀で使用する弔事用の金封袱紗は、色は紫か黒、無地が基本のマナー。
種類は正方形の風呂敷、爪付き、台付き、金封袱紗などあるが、簡易型の金封袱紗が使いやすい。Amazon・楽天などのネットショップや専門の仏具店で購入可能。代用としてはデザインに気をつけたハンカチでも可。
香典の不祝儀袋は袱紗に入れて持ち歩き、受付での受け渡し時は袱紗に乗せて表書きが読める向きで丁重に渡すのが礼儀。
葬儀の袱紗選びこれだけ知っていればOK
袱紗の知識としては色や種類などいろいろありますが、特別にこだわる人でなければそこまで知識は必要ありません。
袱紗の中でも金封袱紗と呼ばれるもので、弔事用として売られているものを使用すれば問題ありません。
それで、最低限必要な色・種類などのマナーも満たすことが出来ますし、包み方を覚える必要もありません。
地域や家系の慣習的に決まりがあるとか、よほど知識があってこだわる人を除いて、一般的にはほとんどの人が金封袱紗を使っているはずです。
不祝儀袋を入れて挟むだけで良いので、簡単ですし実際にこのタイプが人気です。
袱紗の由来と目的
袱紗は元々は貴重品などが収蔵された箱上に掛けられていた風呂敷である。その風呂敷が贈答品を運ぶ時の汚れや日焼け防止として用いられるようになり1枚の布地から裏地付きの絹製で四方に亀房と呼ばれる房付きのものに変わり、慶弔行事の金品を贈る時の儀礼や心遣いとして広蓋(黒塗りの盆)と併せて用いられるようになった。
時代劇を見たことがある人であれば、以下のようなシーンを見たことがあるかもしれません。
越後屋が「お代官様、これを・・」と言って風呂敷を空けると大量の小判(賄賂)。
「お主も悪よのう」というシーン。
この小判や贈り物を包んでる風呂敷が袱紗の原点ですね。
目的は主に2つ。
- 汚れや傷からの保護
- 丁寧に扱うという意味での礼儀の姿勢
現代においては、流石に小判や大きい送りものを包むことはありませんので、不祝儀袋を包むサイズとしての袱紗となって残っています。
贈り物を丁寧に扱う目的のものですので、葬儀などの弔事だけでなく、冠婚葬祭全般に使用されます。
袱紗選びの知識
慶事(結婚式、祝い事)と弔事(葬儀、お悔やみ)では使用する袱紗が違うというところを理解すれば大丈夫です。
弔事は寒色系
袱紗の色です。
慶事 | 弔事 | |
---|---|---|
暖色系・赤系 | ○ | ✕ |
寒色系・青系 | ✕ | ○ |
紫色 | ○ | ○ |
紫色は慶弔どちらのシーンでも利用可能となっていますので、一つ持つのであれば紫色を選んでおくのがおすすめ。
黒色の袱紗もありますが、人によってマナーの意識や判断基準が異なるので、紫を使っておいた方が無難だとおもいます。
柄なしの無地で良い
袱紗は基本的には無地のもので構いませんし、無地が無難です。
柄や刺繍が入ったものを選ぶ場合に気をつけるのは、柄の内容が慶事向け・弔事向けになっているかどうかです。
ただ、普通に販売されている袱紗を購入する場合は、慶事向けの色なら慶事向けの柄、弔事向けの色なら弔事向けの柄が施されているはずです。
ですので、柄に対してこれは慶事向けか?弔事向けか?と悩むことはありません。
- 慶事向けの袱紗
- 弔事向けの袱紗
- どちらにも使える袱紗
この3種類から選ぶことになるので、色は?柄は?とわざわざ考える必要は無いでしょう。
袱紗の形状の種類
袱紗には形状が異なるいくつかのタイプがあります。
- 正式な袱紗
正方形の布(風呂敷) - 爪付き袱紗
包みをとめる爪がついている - 台付き袱紗
香典・不祝儀袋を乗せやすいよう台がついている - 金封袱紗(挟み袱紗)
簡易型、挟むだけでいいような形状になっている
どれが良い悪いは特にありません。
やはり、一般的には金封袱紗が一番使いやすいので、特別理由がなければそれ意外を選ぶ必要はないかと思います。
袱紗はどこで売っている?
Amazon・楽天などの通販
Amazon・楽天などのネットショップで普通に購入出来ます。
衣類などと違って、基本的にサイズなどを気にすることもありませんので通販で購入してしまっても全く問題ないと思います。
むしろ購入した人のレビューを見られるので、一般人には通販サイトの方がありがたいかもしれません。
こだわるなら仏具店
あえてこだわるのであれば仏具店に足を運んでみるのもあり。
専門店で購入するメリットは、スタッフに相談して選べることです。
100円均一
急ぎでもう何でもいいという時などは100均でも置いてます。
おそらく置いてあるのは金封袱紗になるかと思います。
葬儀に必要なものとしては袱紗と数珠は100均でも購入できます。
袱紗(ふくさ)がない時はハンカチで代用可
袱紗を用意できない場合はハンカチでも代用しても良いとされます。
袱紗の役割は、汚れや傷防止と、丁寧に取扱っていることを示すことです。
そう考えると、ハンカチに包んでも問題ないですよね。
ただし、ハンカチのデザインが派手だったりカジュアルだったりすると印象がよくありません。
葬儀で使えるデザインのハンカチを持ち合わせている必要があります。
香典・不祝儀袋の包み方
香典・不祝儀袋を袱紗で包む方法です。
しかし、金封袱紗(挟み袱紗)の場合はここは必要ありません。
包み方を気にするのは、正方形の布の袱紗を使う場合と、ハンカチで包む場合です。
袱紗の色・デザインだけでなく、包み方も慶事と弔事で異なるので、その点だけ注意してください。
- 慶事は左前(左開き)
右→下→上→最後に左と折って包む - 弔事は右前(右開き)
左→下→上→最後に右と折って包む
動画で見るとわかりやすいです。
不祝儀袋の渡し方
受付で香典を渡す方法。
袱紗から香典(不祝儀袋)を取り出し、袱紗の上に乗せて渡します。
この時、相手側から見て袋の表書きが読める向きで渡します。
ちなみに、台付き袱紗ですと、ただの布でなく台がついているので袱紗の上に不祝儀袋を乗せて扱いやすいということです。
袱紗まとめ
一般的には最低限以下のことを押さえればOK。
- 金封袱紗を用意する
- 不祝儀袋は袱紗に入れて持ち歩く
- 受け渡し時は、取り出して袱紗に乗せた状態で渡す
この時、表書きが相手から読める向き
これだけです。
他、不祝儀袋などを床・テーブルに置く時があれば、直接につかないように袱紗を敷いて使います。
つまりは、袱紗で包んだり・敷いたりして不祝儀袋を丁寧に扱ってますよということができていればマナーとしては問題ありません。