私達一般の人が数珠を必要とするのは通夜・葬儀・告別式と各種法要の時だけで、日常生活で使用することはありません。
突然訪れるお葬式の場面で「数珠が無い」「数珠は必要なのか?」と戸惑ってしまうのは当然です。
しかしながら、仏具に関する知識を本格的に学ぼうとするととても奥深くて難しく、必要なタイミングで学ぶ余裕はありません。
そのため、この記事では最低限知っておけば困らない情報だけに絞ってお伝えします。
- 数珠は必ずしも持たなくて良い
- 持っていたほうが焼香のときに様(さま)になる
- 過半数の人が数珠を持って参列する
- そのため数珠を持っていた方が無難
- 数珠がなかったり忘れた場合でも貸し借りはNG
- 時間があるうちに購入して持っておいた方が良い
数珠の購入前、葬儀参列前の参考にお読みください。
葬儀・葬式で数珠は必要なのか
数珠について考えるタイミングは葬式に参列することになった時だけだと思います。
通夜・告別式に参加するときの服装や持ち物を考える流れで、数珠についてもその必要の有無が気になります。
結論から言えば、数珠は必ずなければいけないものではありません。
実際に葬儀に参加しても、数珠を持っている人持っていない人とで分かれます。
そして、数珠を持ってきている人であっても、しっかりと宗教的な意味を重んじて持ってきているというよりは「とりあえず必要そうだから一応用意している」くらいの感覚の人が過半数でしょう。
数珠を持っていないからといって、苦言を言われるということはないかと思いますが、念の為一つ持っておくのは悪くありません。
やはり、合掌や焼香のときは数珠があったほうが様(さま)になります。
一つ購入しておけば、ほぼ一生使えるものですし保管の場所に困るものでもありません。
せっかく数珠が必要になった機会ですので、もし持っていない人は自分用に購入を検討してみると良いと思います。
数珠のマナー基礎知識
数珠を用意する前の参考にしてください。
まずは宗派を確認する
数珠の購入や使い方を考える前に、まずは自分の宗派を確認する必要があります。
それは数珠の種類や持ち方などが各宗派ごとに異なるからです。
もしも正式な数珠を選んだり、使い方を学びたいのであれば自分の宗派を確認しましょう。
宗派がわからなければ、親族に尋ねたり、仏壇の仏具やお世話になっているお寺を確認することで知ることができます。
ただ、一般的にはそこまで数珠にこだわる人は少数派だと思います。
最低限、「日本の葬儀に参列できるくらいの形を取れたらいい」のであれば必ずしも宗派がわからなくても問題はありません。
数珠の由来
数珠は念珠(ねんじゅ)とも言います。
正式な数珠は粒が108つで出来ています。煩悩の数と同じですね。
数珠が生まれたところまでさかのぼってしまうと諸説あって正確な情報がわかりませんが、仏具としての使われ方としては数を数えるための道具です。
数珠を一つずつずらしながら念仏を唱えることで、108回まで数えることが出来ます。
現代では実際に108回まで念仏を唱えることはほぼありませんが、もともとはそういった使われ方をしていた仏具です。
数珠は本連と略式とがある
珠(たま)が108個ある数珠はとても長いので、輪を二重にして持つことから二連と言います。これが本連です。
▼108玉
一般的に使用されるのは54、36、27、22玉などいろいろ。これが略式。一連です。
▼略式22玉
よほど正式な宗教を重んじる人でなければ、一般人で本連の108個の数珠を使っている人はまずいないと思います。
特別、家系的に宗教にこだわりがあるなど理由がない限りは略式の数珠で大丈夫です。
少なくともこのページを読んでいただいている状況であれば、本連を使う必要はないでしょう。
もし、そういった本格的な家系に育っているのであれば、既にいろいろと知識を叩き込まれているはずですから。
数珠の値段はピンキリ
数珠の値段は本当に安いものから高価なものまで様々です。
アクセサリーや宝石などと一緒で使われている材料に値段が左右されます。
プラスチック製の1000円以内で買えるものから、貴重な石・木材でできた数十万円するものまであります。
日常的に使ったり身につけたりするものではありませんので、相場というものが存在しません。
最低限明らかに安っぽく見えるものを避ければ問題ないでしょう。
実際に、他の人が持っている数珠を見ても安いのか高いのかわかりませんよね。
男性用・女性用の違いは珠の大きさ
石の種類とか宗教とかわからない初心者(ほぼ全ての日本国民)にでもわかるので、男性用と女性用です。
単純に珠のサイズが異なります。
男性の方がちょっと大きくて、女性用の方が少し小さい。
数珠を購入するときは男性用・女性用に分かれているので、どちらを購入すればいいかは簡単にわかります。
数珠はどこで購入すればいいか
数珠が購入できる場所を紹介。
理想は仏具店での購入
数珠は仏具店で購入できます。
仏具の専門店もありますし、百貨店の中に入っていることもあります。
数珠だけでなく仏壇とかその他もろもろの関連商品が置いている店ですね。
仏具店で購入するメリットは販売員に相談しながら選べること
人生において仏具を購入する機会はなかなかありませんので、宗教や予算などを考慮して相談しながら購入できるのは安心です。
デメリットとしては意外と品揃えが多くないこと
実際にいくつか仏具店を見て回ったのですが、そこまでの種類・数は置いてません。
仏具という特性上、なんでもかんでも置いていて売れるわけではないので仕方がないことだと思います。
意外だったのが、仏具店でも本連(正式)の108珠の数珠が置いてませんでした。数十種類くらいの数珠はありましたが、全て一連の略式。
こういった状況をみても、基本的には略式の数珠しか使う人はいないので、購入するにしても略式で問題ありません。
どうしても正式な本連の数珠が必要であれば、お世話になっているお寺などと相談の上、注文して取り寄せる形になると思います。
仏具のオンラインショップ
近くに仏具店が無い場合や、買いに行く余裕がなければ数珠専門のオンラインショップもあります。
宗教だけでなく、誕生石や石の意味合いでカテゴライズされているのでもしかしたら実店舗より選びやすいかもしれません。
オンラインショップでも電話などで数珠の購入に関して相談できます。
しっかりした数珠を一つ持っておきたいという人は見てみてください。仏具店に行くより品揃えも多いです。
Amazonや楽天でも買える
Amazonや楽天などのECショップでも購入できます。
特にそれほどこだわりが無いのであればECショップで購入するのもアリです。普段使っているショップであれば買いやすいですね。
専門家の意見が得られないデメリットはありますが、参考になる購入者の口コミも見られます。
安価なものから高価なものまで数多く揃っています。
どんな数珠でもいいなら100円均一
とりあえず形だけ持ってれば何でもいいという人は百均でも置いてます。
数珠は残念ながらコンビニでは置いてません。
↓100均の数珠です
見栄え的に何でもいいから数珠を持っておきたいというのであれば、100円均一でも全然問題ありません。
ただし、どうしても安っぽく見えますし、壊れたりするリスクを考えると最終手段です。
数珠が壊れるとしたら、珠をつないでいる紐が切れてしまう可能性が一番高いです。
もし、葬儀中に紐が切れて数珠の珠がバラバラになることを想像すると結構危険ですよね。
100均はあくまでも一時的な利用に限定して、余裕がある時にそれなりにまともなものを用意しておくことをおすすめします。
数珠はすべての宗派で使えるものが人気
参列する葬儀の宗派を確認して、複数の数珠を使い回す準備はなかなかできません。
略式の数珠であり、デザイン的にもすべての宗教で使い回せる数珠が人気です。
Amazonで売れ筋ランキングの高いものの一例を紹介します。
男性用の数珠
女性用の数珠
ペアセットの数珠
数珠の取扱い注意点
忘れた場合も数珠の貸し借りはしない
数珠の貸し借りはNGとされています。
葬儀中、数珠を持っている人と持っていない人と混在しているので、基本的には無くても問題ありません。
ただ、焼香の時だけは一人ずつ席を立って焼香に向かいますので、そのタイミングで一時的に数珠を借りようとしてしまう人がいます。
これはNGです。
明確に貸し借りを禁止するようなルールがあるわけではありませんが、仏教的な思想や慣習を考慮して総合的な判断で「数珠の貸し借りはマナー違反」と見られます。
根拠はないかもしれませんが、現実的に数珠の貸し借りはNGと考える人が多いのでやらない方がいいでしょう。
貸し借りをするのであれば、数珠を持たずに参列・焼香をした方がいいです。
取り扱いは丁寧に、袱紗に包んで
数珠はその取扱い、持ち運び方には気を使うべきとされます。
実際に手に持っているときでなく、持ち運びの時なども気を使わないと、そういう部分に詳しい人・細かい人に悪い印象を持たれる可能性があります。
基本的に注意すべきは2つ。
- 袱紗(ふくさ)に包んで持ち運ぶ
- 床などに直に置かない
とりあえずは袱紗を使って丁寧に扱ってます感を出しておけば大丈夫です。
数珠を購入する時に袱紗がセットになっているものもありますし、なければ一つ持っておいてもいいでしょう。
数珠だけでなく不祝儀袋を包んだりにも使います。
慶事用(結婚式など)と弔事用(葬儀など)はデザインが異なるので注意。
宗派別、数珠の持ち方・使い方
厳密には宗派別で数珠の種類や扱い方・持ち方が異なります。
ただ、実際のところは気にする人は少数でしょう。
というのも、葬儀はだいたいが親族や近親者が集まります。
ということは、集まった人達はみな同じような宗派に属しているわけです。
つまり、葬儀に参列している人を見て同じ持ち方をすれば問題ないということですよね。
もしあなたが数珠や宗教についてよくわからないというのであれば、他の参列者も一緒です。
基本的には親指にかける形で持てば問題ありません。
もし、本連(108珠の長い数珠)を使うのであれば、各宗派で決められている持ち方を覚える必要がでてくるかと思いますが、一般的には必要のない知識です。
葬儀の数珠まとめ
日常では基本的に触れる機会の無い数珠です。
使う機会が少ないからといって、安価なものを用意するのは仏具として礼節にかける気もします。
何度も購入するものではありませんので、最低限さまになるくらいの数珠を一つ持っておいてもいいでしょう。
一度用意すれば今後困ることはなくなります。