冬が近づくと、礼服だけで参列するには少し肌寒く物足りないと感じることがあります。
コートなどの羽織るものが欲しいところですが、葬儀においてマナー違反となってしまうコートもありますので、フォーマル用のコートがおすすめです。
コートを着てお葬式に参列する際は、基本的に受付(クローク)にコートを預けるか、式場にあるハンガー等にかけておくことになります。
「どうせ式中は脱ぐのだからどれを着ても同じだろう」と考えていると、意図せずマナー違反を犯してしまうかもしれません。
寒い時期のお葬式に着ていくコートの選び方について解説していきます。
葬式にはフォーマル用のコートを選ぼう
そもそもコートにはお葬式用というジャンルのものがないので、自分でマナー違反とならないものを選んで買う必要があります。
しかし、お葬式用にコートを選ぶならそこまで値段の高いものを選ぶ必要はありません。
喪服や礼服は、5年、10年後でも着れるような良いものを購入することをお勧めしますが、それらよりもさらに着用する頻度の少ないコートは、無理のない範囲内で選べる無難なものにしておきたいところです。
お葬式用にするコートはフォーマル用のコートの中から探します。
さらに、そこから黒いものに限定して選ぶ方が無難です。
できるだけ、着ているスーツと似たような色・材質のものがあれば見た目の違和感もなくおすすめです。
カシミアやウールなどの温かい材質のものを選んでおくと、温かくて礼服にもなじみます。
チェスターコート
ジャケットに近い形をしたチェスターコートはスーツとの相性が良く、フォーマルな雰囲気にピッタリです。
ステンカラーコート
また、シンプルなステンカラーコートはスーツだけではなくフォーマルドレスやワンピースなどにも合わせやすい万能なコートです。
いずれもスーツと似た色や素材のものの中から選ぶのが理想的です。
「ブラックフォーマル」で探す
ほかにもブラックフォーマルコートとして売られているものを探せば大量に見つけることができます。
どのコートを選ぶ時にも、丈が短いものを着るとジャケットが見えてしまううえ、子供っぽい印象を与えてしまいます。
コートの丈の長さで悩んだ時には、膝上まであるミドルかロングコートにしましょう。
また、冬だけではなく秋や春にも着れるようにライナー(コートの裏地)が着脱可能なスリーシーズン対応のコートを選べば、1着を着まわすことができるのでおすすめです。
葬儀にふさわしくないコートとは
お葬式に向いているコートがわかりましたが、逆に着て行ってはいけないコートはあるのでしょうか。
カジュアルな要素が強いダウン・モッズコートはNG
ダウンコートやモッズコートなどカジュアルな雰囲気が強いコートは葬儀の場にはふさわしくありません。
また、落ち着いたデザインであったとしても、パステルカラーや原色のような明らかに目立ってしまう色のコートもNGです。
コートの素材
コートに限らず、葬儀で身に着けるものはすべて殺生を連想させるものは避けるべきだと言われています。
寒さ対策には向いていても、お葬式に毛皮のコートを着ていくのは止めておきましょう。
同じ理由からファー付きのコートもNGです。
取り外しができる場合は必ず外して着ましょう。
また、ナイロンやエナメルのコートも避けるべきです。
光沢があったりシャカシャカと音がしてしまいお葬式に着ていくコートとしてふさわしくありません。
装飾が目立つコート
黒いコートでも、縫い糸の色が違ったり柄が入っているものなどデザイン性の高いものはカジュアルな印象が強いためお勧めできません。
また、ボタンなどの金具が目立っていないかにも注目しましょう。
フード付きのコートは取り外しが可能ならフードを外してください。
フォーマルな場に装飾が目立つコートを着ていくとマナー違反となってしまいます。
葬式のコートはどこで購入すべきか
紳士服店・呉服店・スーツショップ
今後のためにも一着しっかりしたコートを用意しておきたいという場合は、紳士服店や呉服店で購入すべきです。
サイズや体型に合った作りのものを見繕ってもらえますし、必要に応じてオーダーメイドや調整も可能です。
服の見た目は値段相応となってしまいますので、安価な製品と比較しても素材によって見た目の印象が異なります。
時間的に余裕がある場合は、一度実店舗に足を運んでみてはいかがでしょうか。
ネットショップ
Amazon・楽天・Yahooなどの大手ネットショップにも呉服店・スーツショップが出店しています。
お店に足を運んで購入する時間が取れないかたは、ネットの写真や口コミを参考に購入してしまっても良いでしょう。
ただし、受け取りまで数日間かかることと、実際に試着ができない点がデメリットです。
一般的な体型から大きくハズレていない方であれば問題ありません。
ユニクロ・しまむらでも購入可能
最近ではユニクロやしまむらなどの量販店でも、喪服やそれに準じたフォーマルな衣類を取り扱っています。
値段もリーズナブルですので、喪服にこだわる人でなければ必要十分です。
ユニクロはチェスターコートを販売しているので、黒色を購入すれば葬式でも使えますね。
黒色を展開している商品がかなり限られてしまいますが仕方ありません。
https://twitter.com/0tt00si/status/1168758231151173632
葬式用のバッグもないなと思って、Twitterで得た知識を基にしまむらに行ったら本当にフォーマル一式の品揃えあってこれはマジで助かる人いるなと思った。
— 羅生門メタ子 (@la_jomon_meta) January 2, 2019
近くにお店がある人であれば、当日にでも手に入れることができますので、急ぎの人はユニクロかしまむらに走りましょう。
コートをどうしても用意できない場合
お葬式というものは常に思わぬタイミングでやってくるものなので、防寒着まで準備ができていなかったという人も少なくありません。
寒い季節に急にお葬式に参列することになってしまったものの、フォーマルコートを持っていないというときには、それはもう仕方がありません。
もしもコートの準備ができず、フォーマルなコートがない時には手元にある一番地味なコートを着ていきましょう。
以前と比べるとお葬式に着ていくコートは絶対に黒でないといけないということも無くなってきました。
特に寒さの厳しい地域ではダウンコートを着ていたり、素材や色にこだわらず暖かいコートを着る人が増えてきています。
しかしそういった時でも必ずファー付きのものは取り外し、外せる金具はすべて取り外すなどしてできる限りカジュアルさを抑える配慮は必要です。
葬式のコートまとめ
男女ともに以下の条件を気をつければ問題はないでしょう。
- フォーマル用のコート
- 黒色が理想
- カジュアルや装飾は避ける
参列する人の立場や地域によって差が出るところですので、不安なときには一緒に参列する人などに相談してみるのもおすすめです。