もしも通夜やお葬式に参列することになったら、服装だけではなく髪型にまで気を遣う必要があります。葬儀では厳粛な場にふさわしい身だしなみが求められ、特に髪型は第一印象を大きく左右します。
どれだけ喪服の服装がしっかりしていても、髪型が乱れているとだらしなく見えてしまい、故人やご遺族に対する敬意が欠けているという印象を与えかねません。お辞儀をする機会が多い葬儀の場では、髪が顔にかかって何度も直す姿は周囲の目につきやすいものです。
2025年現在、葬儀のスタイルは多様化していますが、髪型のマナーについての基本は変わっていません。特に多くの方が検索されているボブヘアの扱い方や前髪の処理方法、そしてロングヘア・ショートヘアそれぞれの適切なスタイリング方法について知っておくことが大切です。
しかし、突然の訃報で葬儀に参列することになり、事前に美容室でキレイに整えてもらう時間がない場合も少なくありません。髪が伸びてしまっている方や、明るい色に染めている方が自分でどうにかしなければならないケースも多いでしょう。
葬儀参列時の髪型対策ポイント:
- 清潔感のある髪型に整えること
- 顔に髪がかからないようにすること
- 派手な印象を与えないこと
この記事では、ボブ・ロング・ショートなど髪の長さ別の具体的なアレンジ方法や、男女別の髪型マナー、さらには法事と葬儀での違いまで、葬儀参列時の髪型について詳しく解説します。急な葬儀でも自分で対応できる方法から、美容室に依頼する際のポイントまで、すぐに役立つ情報をお伝えします。
女性の葬式での髪型マナー
通夜や葬儀ではお辞儀をする回数がとても多く、整えられていない髪型では顔に髪がかかってしまったり、焼香をする際に邪魔になったりします。
厳かな雰囲気のなかで、ひとりだけお辞儀をするたび髪を気にしている姿はとても目立ってしまうので、邪魔にならないようにまとめておくことが重要です。葬儀では清潔感と品位を保つことが基本的なマナーとなります。
ロング・セミロングヘアはひとつ結び・ギブソンタック

ロングからセミロングヘアの場合は後ろでひとつ結びにするのが最も無難です。このとき結ぶ高さに注意が必要で、耳より下の位置で結ぶようにしましょう。
高い位置で結んでしまうと、慶事(祝い事)の印象が出てしまいマナー違反になる可能性があります。特にポニーテールのように高い位置での結び方は避けるべきです。
髪の状態別の対応方法:
- ストレートヘア:後ろで低めに結ぶだけで十分
- パーマヘア:ヘアピンを使ってお団子などにしてきれいにまとめる
- くせ毛:あらかじめヘアアイロンで軽く整えておくとまとめやすい
ヘアアレンジの際の注意点として、毛先が飛び出さないようきれいにまとめましょう。必要に応じてヘアネットを使用しても問題ありません。
ヘアアクセサリーを使用する場合の選び方:
- ヘアゴム:黒色で目立たないシンプルなもの
- 髪留め(バレッタやシュシュ):黒色の控えめなデザイン
- ヘアピン:黒色で光沢のないもの
また、整髪料を使用する場合は香りが弱いものか無香料を選ぶことをおすすめします。強い香りは場の雰囲気に合わないためです。
2025年現在では、ギブソンタックが葬儀に適した髪型として人気があります。シンプルでありながら品のある印象を与え、自分でも比較的簡単にできるアレンジ法です。
避けるべきヘアスタイル:
- 編み込みや三つ編み(お洒落をしていると捉えられる)
- ハーフアップスタイル(華やかな印象を与える)
- カジュアルな印象のポンパドール
ショートヘアの場合
ショートヘアの女性は、髪が顔にかからなければ特にアレンジなどは必要ありません。自然なスタイルのままで問題ありません。
髪が少し長めで邪魔だと感じる場合は、以下の対処法があります:
- 耳にかける
- 前髪は少しワックスなどで整える
- 長い前髪はヘアピンで留める
この時使用するヘアピンやヘアクリップも、黒色で目立たないものを選びましょう。ラインストーンや装飾が付いたものは避けてください。
ショートヘアの場合も基本は、目立たない自然な髪型が好まれます。わざわざセットし直す必要はなく、清潔感があり、整っていることが大切です。2025年の葬儀マナーでは、ナチュラルさを保ちつつ品位のある髪型が評価されています。
ボブヘアの葬儀髪型と簡単アレンジ方法
ボブヘアは見た目が整っているため「このままでも大丈夫かな」と思われる方も多いですが、葬儀でのボブヘアは顔にかからないよう整えることが基本マナーです。顔周りの髪が邪魔になると、お辞儀や焼香の際に何度も髪を気にする仕草が目立ってしまいます。
ボブヘアの方は、髪の長さによって対応方法が異なります。ショートボブの場合は自然な状態でも問題ありませんが、ミディアムボブ以上の長さの場合はきちんとアレンジが必要です。
前髪ありボブの整え方
前髪がある場合、お辞儀をする際に特に邪魔になりやすいので適切な対処が必要です。
前髪の整え方のポイント:
- 前髪が目にかからない長さに整える(美容院での調整が理想的)
- 長い前髪は、黒色のヘアピンを使って横に流すか、サイドに固定する
- 前髪が短い場合でも、お辞儀の際に落ちてこないよう、軽く無香料のヘアスプレーで固定しておく
葬儀では露出度の高いヘアピンやカラフルなものは避け、黒色の小さめのヘアピンを使用することをおすすめします。前髪を上げすぎると華やかな印象になるため、自然な仕上がりを心がけましょう。
前髪なしボブのスタイリング法
前髪なしボブスタイルは、葬儀の場に適した清潔感のある髪型です。しかし、サイドの髪が顔にかかりやすいという欠点があります。
前髪なしボブのスタイリング方法:
- サイドの髪は耳にかけるか、小さな黒色のヘアピンで固定する
- 顎ラインより長い場合は、後ろで低めに一つにまとめる
- 髪の毛先が跳ねる場合は、ストレートアイロンで軽く整える
前髪なしボブは比較的シンプルに見えますが、顔周りの髪がきちんと整っていることが重要です。特に長めのボブの場合、髪の毛先が肩に当たって跳ねてしまうことがあるので注意しましょう。
ボブの簡単セルフアレンジテクニック
急な葬儀で美容院に行く時間がない場合も、自宅で簡単にできるアレンジ方法があります。
ボブヘアの簡単アレンジ方法:
- サイドねじりピン留めスタイル
- 顔周りの髪を2〜3cmほど取り、後ろ向きに軽くねじる
- 黒色のヘアピンで耳の後ろあたりに固定する
- 反対側も同様に行う
- ハーフアップではなく低めのハーフバック
- 耳より下の位置で、サイドの髪を後ろでまとめる
- 黒色のヘアゴムで固定し、目立たないようにする
- 華やかな印象を避けるため、高い位置でのハーフアップは避ける
- 短めボブの場合の対応
- 黒色のカチューシャ風ヘアバンドを使用(派手でないもの)
- 前髪が長い場合は、サイドに流して固定する
どのアレンジもシンプルで控えめな印象を心がけることが大切です。また、整髪料は無香料のものを使用し、つけすぎないように注意しましょう。
葬儀中は長時間座っていることが多いため、崩れにくいアレンジを選ぶことも重要です。ピンやゴムは必ず予備を持参し、トイレなどで髪型を直せるよう準備しておくと安心です。
葬儀での前髪の処理方法
葬儀や通夜ではお辞儀をする機会が非常に多いため、前髪の処理は特に重要です。適切に処理されていない前髪は、お辞儀のたびに顔にかかってしまい、何度も手で直す姿は厳粛な場にふさわしくありません。また、焼香や挨拶などの儀式の際に視界を遮ることもあります。ここでは、前髪タイプ別の適切な処理方法を解説します。
前髪なしスタイルの作り方
前髪なしスタイルは、葬儀の場では清潔感があり好印象を与えます。顔周りがすっきりするため、お辞儀をする際も髪が邪魔になりません。
急な葬儀で前髪なしスタイルを作るには、以下の方法が効果的です:
- ピン留めテクニック:前髪を根元から上に向けてとかし、黒の細いヘアピン2〜3本を交差させて固定します。ピンは髪の色に合わせて目立たないものを選びましょう。
- サイド分けにする:前髪を左右どちらかに深く分け、耳にかけるようにスタイリングします。
- 耳上げスタイリング:前髪を上にとかし、目立たない黒のヘアピンで固定した後、無香料のヘアスプレーで軽く固定すると長時間崩れにくくなります。
特に急な葬儀参列の場合は、美容院に行く時間がないことも多いため、自宅でできる簡単なスタイリングが重要です。前髪なしスタイルは、自分でも比較的簡単に整えられるメリットがあります。
前髪ありの場合の適切な処理法
前髪がある場合でも、適切な長さと処理をすることで、厳粛な場に相応しい髪型にすることができます。
前髪ありの場合の処理ポイント:
- 適切な長さ:前髪は眉毛が少し見える程度の長さが理想的です。目にかからない長さであれば、お辞儀の際に邪魔になりにくいでしょう。
- 横分け・斜め分け:前髪が長い場合は、横に流す、あるいは斜めに分けることで顔からすっきりとさせることができます。
- 部分的なピン留め:前髪の一部だけをヘアピンで留める方法も効果的です。黒の小さなヘアピンを使い、あまり目立たないように留めましょう。
前髪が短いけれど目にかかる長さの場合は、無香料または香りの弱いワックスやジェルを少量使って、上方向に軽く整えるとよいでしょう。ただし、つけすぎると不自然に見えるため、ごく少量にとどめることが大切です。
葬儀や通夜は長時間になることが多いため、朝整えた髪型が夕方まで崩れないように心がけましょう。急な葬儀で前髪の長さが気になる場合でも、これらの方法で対応することで、厳粛な場にふさわしい髪型を保つことができます。
葬儀と法事の髪型マナーの違い
葬儀と法事では、同じ「弔事」であっても厳粛さの度合いやマナーに若干の違いがあります。葬儀は故人との最後のお別れの場であり、より厳格な髪型マナーが求められるのに対し、法事は故人を偲ぶ場として多少の緩和が見られます。しかし、基本的には両方とも弔事であることに変わりはなく、派手さを避け清潔感と品位を重視した髪型が望ましいことに変わりはありません。
葬儀で適切とされる髪型の基本(顔に髪がかからない、派手なアレンジを避ける、黒や暗めの色調)は法事でも共通していますが、法事では若干のアレンジの自由度が増すことが特徴です。
法事特有の髪型のポイント
法事における髪型は葬儀ほど厳格ではありませんが、いくつか押さえておくべきポイントがあります:
- アレンジの許容範囲:葬儀に比べてやや自由度が高くなりますが、華美な印象を与えるスタイルは避けるべきです
- ボブヘアの場合:耳にかける程度のシンプルなスタイリングでも問題ありませんが、七回忌以前の法要では後ろでまとめるとより丁寧な印象になります
- ヘアアクセサリー:黒や紺、グレーなどの落ち着いた色のシンプルなものであれば使用可能です。ただし、キラキラとした装飾付きのものは避けましょう
法事では葬儀ほど長時間の正座や焼香などの動作がないことが多いため、髪型が多少崩れにくい工夫をすれば十分です。ハーフアップやサイドの編み込みも、派手すぎなければ近年では許容される傾向にあります。
ただし、宗派や家族の意向によってマナーの厳格さは異なりますので、参列する法事の雰囲気に合わせることが大切です。特に格式高い家庭や寺院での法要の場合は、葬儀と同程度の厳格さが求められることもあります。
四十九日・一周忌・三回忌などでの髪型
法要の種類によっても適切な髪型の厳格さが異なります:
四十九日法要: 故人の死後49日目に行われる重要な法要です。葬儀に近い厳格さが求められるため、シンプルで清楚な髪型が適切です。特にボブヘアの方は、前髪が目にかからないよう、また後ろは軽くまとめておくとよいでしょう。
一周忌: 故人が亡くなって1年後に行われる法要です。四十九日法要よりはやや緩和されますが、依然として清楚さを保った髪型が望ましいです。ロングヘアの方は低い位置でのひとつ結びやお団子スタイル、ボブヘアの方は邪魔にならないよう整えておくとよいでしょう。
三回忌以降: 時間の経過とともに徐々に厳格さは和らぎます。三回忌(2年後)、七回忌(6年後)と経過するにつれて、品位を保ちつつも多少のアレンジが許容されるようになります。ただし、華やかすぎる印象は避け、落ち着いた印象の髪型を心がけましょう。
いずれの法要でも共通して言えるのは、派手な髪色は避けるべきということです。黒髪が理想的ですが、暗めのブラウンやダークグレーなど、明るすぎない色であれば問題ないでしょう。
法事の場で「浮いてしまった」と後悔しないためにも、髪型の選択に迷ったら、よりフォーマルで控えめな方向に寄せておくことをおすすめします。とくに故人との関係が近い場合や、格式を重んじる家庭の法要では、葬儀と同程度の厳粛さで臨むことが無難です。
葬儀でマナー違反とならない髪色は?

葬儀に参列する際、髪色も重要なマナーポイントです。基本的には、周囲に合わせて黒髪にしていくのが理想的です。服装や頭髪ともに黒色の人ばかりが集まる中で、髪色が違うと浮いてしまうため、時間に余裕があるなら黒く染めておくほうが良いでしょう。
しかし、急な参列で間に合わないなど黒髪にすることのできない事情がある方も少なくありません。そういった時間的余裕がない場合は黒髪用のスプレーを使用するという対処法があります。コンビニなどでも購入できるので、急な参列でも十分対応可能です。
髪を染めているものの、色がダークグレーなど黒に近い色である場合は、服を着替えてみて目立たなければ染め直さなくてもよい場合があります。特に女性は社会的に髪を染めていることが認められている傾向にあります。暗いところでは一見黒髪に見える程度の色なら、急いで黒髪に染めて行かなくても問題ないでしょう。
ただし、以下の場合は例外として考えられます:
- 地毛が黒ではない人(外国人など)
- ウィッグやエクステを着用している人
- 高齢者の白髪(染める必要はない)
葬儀で使用できるヘアアクセサリー
葬儀の場では光り物が嫌われると言われるように、ヘアアクセサリーもなるべく余分につけないよう意識しましょう。ある程度髪が長い人は髪型を整える必要がありますが、その際のアクセサリー選びも重要です。
どうしてもアレンジをするために必要になる場合には、色・材質・デザインともに目立たないものを使用します。葬儀で使用しても問題ないヘアアクセサリーの特徴:
- 黒一色であること
- 艶や光沢がないこと
- シンプルで地味なデザインであること
特によく使われるシュシュは、大きすぎたり派手なデザインのものは、艶のない黒色でもNGです。バレッタやバナナクリップなどの髪留めも同じく黒一色・艶なし・地味なデザインであればつけても問題ありません。

一方で、カチューシャはどうしてもカジュアルな印象になってしまうため、葬儀の場では避けたほうが無難です。
女性なら美容室のヘアメイクに頼んでしまうのもあり
自分で髪型を整えるのが難しい場合は、美容院での葬祭用ヘアメイクを利用するという選択肢もあります。美容院では結婚式やパーティーなどのヘアメイクをしてくれるメニューと同様に、葬祭のヘアメイクもきちんと対応してくれます。
必ずしも「葬儀用のヘアメイクをしています」と明示している店は多くありませんが、結婚式用のヘアメイクを行っているサロンであれば対応できることがほとんどです。メニューに無くても葬儀に参列する旨を伝えれば、髪のプロとして美容師さんがマナーに合わせたヘアスタイルを提案してくれるでしょう。
サロンでの葬儀用ヘアセットの依頼方法
美容室で葬儀用のヘアセットをお願いする際は、予約時に明確に伝えることが大切です。「葬儀に参列するためのヘアセットをお願いしたい」と具体的に伝えましょう。その際に参列する葬儀の関係性(親族・知人など)も伝えておくと、適切なヘアスタイルの提案を受けやすくなります。
葬儀用ヘアセットの特徴は、清潔感と品位を重視した控えめなスタイリングです。担当の美容師に、以下の点を伝えると良いでしょう:
- お辞儀の際に髪が顔にかからないようにしたい
- なるべくシンプルで落ち着いた印象にしたい
- 長時間崩れにくいスタイルにしたい
費用は通常のヘアセットと同程度で、3,000円〜8,000円程度が相場です。予算や希望があれば事前に相談しておくと安心です。
急な葬儀の場合のサロン予約術
突然の葬儀で時間がない場合でも、美容室を利用する方法はあります。当日予約が可能なサロンを見つけるためのポイントは以下の通りです:
急な葬儀でも美容室を利用するコツ:
- ホットペッパービューティーなどの予約サイトで「当日予約可」の条件で検索する
- 平日や午前中など比較的空いている時間帯を狙う
- 電話予約で「葬儀のための緊急対応」であることを伝える
- 大型店より個人経営の美容室の方が融通が利くことも多い
どうしても美容室の予約が取れない場合は、セルフアレンジに役立つヘアピン・黒ゴム・整髪料などを事前に用意しておくと安心です。また、緊急時のために黒髪スプレーを持っておくことも有効な対策となります。
男性の葬儀での髪型
葬儀に参列する場合は、男女問わず身だしなみはとにかく清潔感が重要です。寝癖がついていたり、不潔に思われてしまう髪型は周囲から白い目で見られてしまうかもしれません。
髪が伸びている男性は目や耳に髪がかからないよう綺麗にカットするか、整髪料を使い整えて参列しましょう。葬儀の場では、シンプルで落ち着いた印象を与える髪型が望ましいとされています。
整髪料はワックスでもジェルでも必要最低限の量だけを使用し、髪がテカってしまわないよう気をつけましょう。整髪料をつけすぎると、目立ってしまったり逆に不潔に思われてしまう可能性があります。
また、香りの強い整髪料は避けるべきです。葬儀の場で強い香りは周囲の方への配慮に欠けると捉えられることがあります。無香料かごく控えめな香りのものを選びましょう。
パーマの場合
パーマヘアの男性は、可能であれば整髪料でまっすぐに見えるよう髪の毛を流して固めておくことをおすすめします。特に強いパーマがかかっている場合は、落ち着いた印象になるよう心がけましょう。
地毛の自然なウェーブなら整えなくても問題ありませんが、華やかに見られてしまう可能性があるため気になるなら整えておきましょう。パーマが強くてどうしても目立つ場合は、サイドをすっきりとさせ、トップもできるだけ抑えるようにするとよいでしょう。
近年では、自然なパーマヘアであれば葬儀でも許容される傾向にありますが、TPOを考慮して、極端に個性的なヘアスタイルは避けるべきです。特に親族として参列する場合は、より礼節を重んじた髪型を心がけましょう。
ロングヘアの場合
髪の長い男性は、短く切ってから行かなければならないと思われている方もおりますが、わざわざカットしていく必要はありません。しかし、清潔感を出すために髪型を整えておく必要があります。
ロングヘアの男性は髪をすべて後ろへ流してオールバックにし、ヘアゴムなどで結んでいけばマナー違反となることは無いでしょう。このとき目と耳に髪がかからないように整髪料を使ってきれいに整えておきます。
ヘアゴムを使用する際の注意点:
- 黒や濃紺など目立たない色を選ぶ
- シンプルなデザインのものを使用する
- しっかりと髪を束ねることで清潔感を出す
ヘアゴムと整髪料で整えきれない時は、目立たない色のヘアピンなども使いきれいに整えておくと尚良いでしょう。ビジネスシーンでも活躍するような、きちんと感のあるまとめ髪を心がけましょう。
髪が薄い方の対策
薄毛や禿げがある男性も、葬儀では誰もが直面する可能性のある参列シーンです。髪が薄い方は自然な見た目を保つことが最も重要です。
対応策としては以下が挙げられます:
- 短めにカットして清潔感を出す
- 全体的に薄い場合は思い切って坊主や短髪にする
- 部分的に薄い場合は目立たないようヘアスタイルを工夫する
無理に隠そうとして不自然なヘアスタイルにするよりも、清潔感のある自然な髪型を選ぶことが周囲からの印象も良くなります。また、必要に応じてヘアスプレータイプの増毛剤を使用するのも一つの方法です。
葬儀に備えて普段から使い慣れている整髪料を持参すると、急な状況でも対応しやすくなります。何より自然で清潔感のある印象を与えることが最も重要であり、薄毛を過度に気にするよりも、礼節をわきまえた参列者としての姿勢が周囲に与える印象ははるかに大きいことを覚えておきましょう。
2025年現在の葬儀髪型事情
近年、葬儀のスタイルも多様化し、従来の伝統的な葬儀だけでなく、家族葬や一日葬など、より簡素で親しみやすい形式も増えています。それに伴い、髪型のマナーにも少しずつ変化が見られるようになりました。
現代の葬儀での髪型の許容範囲
2025年現在、葬儀での髪型は基本的なマナーを守りつつも、以前より許容範囲が広がっている傾向があります。特に若い世代や都市部では、過度に派手でなければ、多少のアレンジが入った髪型でも問題視されることは少なくなっています。
ただし、葬儀の形式や参列者の立場によって期待されるマナーは異なります:
- 近親者や喪主:より伝統的なマナーが求められるため、シンプルで清潔感のある髪型が望ましい
- 一般参列者:基本的なマナーを守りつつ、自然な髪型であれば許容される
- 家族葬:比較的カジュアルな雰囲気であることが多く、髪型も少し緩やかなマナーが許容される
最も重要なのは、故人や遺族に対する敬意を示すという点です。派手な印象を与える髪型は避け、清潔感があり、落ち着いた雰囲気の髪型を心がけましょう。
また、最近では白髪染めについても認識が変わってきており、高齢者が白髪のまま参列することも珍しくなくなっています。自然な状態であれば、必ずしも黒く染める必要はないという考え方も広まってきています。
年代別に見る適切な髪型選び
年齢によって似合う髪型や一般的なスタイルは異なります。年代別に適した葬儀での髪型選びのポイントをご紹介します。
20代〜30代女性: 若い女性は髪が長い方も多いため、低めの位置でまとめたポニーテールやギブソンタックが定番です。ボブヘアの場合は、前髪が長ければピンでとめるか、サイドを軽くねじって後ろでピン留めするシンプルなアレンジが好まれます。
40代〜50代女性: この年代では、シニヨンやまとめ髪が清楚な印象を与えます。ボブヘアの方は、耳にかけてシンプルにまとめるか、全体をなでつけて整えると上品な印象になります。前髪なしのスタイルも清潔感があり適しています。
60代以上の女性: 髪が短い方が多いため、自然な状態で清潔感を保つことが大切です。パーマがかかっている場合は、ヘアスプレーなどで少し抑えめにすると良いでしょう。
男性(全年代): 基本的に清潔感のあるショートヘアが望ましいですが、髪が長い場合は後ろでまとめるなど、きちんと整えることが重要です。薄毛の方は、あえて短く刈り上げるなど、清潔感を意識した髪型にすると良いでしょう。
現代では、自分らしさを保ちながらも場に合った髪型を選ぶことが大切です。極端に派手なスタイルでなければ、普段の髪型を基本に少し落ち着いた印象に整えるだけでも十分な場合が多いです。
葬式での髪型まとめ
通夜や葬儀は式中もそれ以外の時間でもお辞儀をする機会が多くあります。お辞儀をするたびに髪が顔にかかり、そのたびに手で直している姿は見苦しいと思われることも。
葬式に正式な髪型の決まりはありませんが、以下の3つのポイントを押さえておけば間違いありません:
- 清潔感のある髪型:不潔な印象を与えないよう、髪はきちんと洗い、整えましょう
- 目立ちすぎない色や形:派手な髪色や奇抜なスタイルは避け、黒や暗めの色が基本です
- 動いても崩れにくい髪型:お辞儀や移動が多いため、安定したスタイルを選びましょう
特にボブヘアの方は、髪の長さによって対応が異なります。短めのボブなら自然なままでも問題ありませんが、顔にかかる長さの場合は、シンプルなピンで留めるなど工夫が必要です。
急な葬儀で髪の準備が間に合わない場合は、黒髪スプレーや美容院での葬儀用ヘアセットを利用する方法もあります。時間に余裕がなければ、最低限のケアとして髪をまとめ、清潔感を保つことを意識しましょう。
何よりも大切なのは、故人を偲び、遺族を気遣う心です。髪型に過度に神経質になるよりも、参列者としての振る舞いや気持ちを大切にしましょう。