枕経・枕勤めとは、故人の枕元で僧侶に読経してもらう儀式です。
病院で死去した後、自宅や葬儀場に遺体を安置し、枕経を執り行います。葬儀会社が遺体の搬送、安置、枕飾りの設置を手配し、お坊さんへ枕経の依頼をします。枕経は約30分で、近親者のみで行われます。
枕経後に葬儀の打ち合わせを行うため、搬送を依頼した葬儀社がそのまま葬儀を執り行うことが一般的です。
枕経・枕勤めの流れ
遺体の搬送・安置場所の決定
亡くなった後、まずはご遺体の安置が必要です。
現代では病院で亡くなる方が大部分を締めており、自宅で息を引き取る方はごく一部です。
自宅に安置場所が用意できるのであれば自宅、そうでない場合は斎場などの施設に安置する場所を確保します。
基本的には、病院で亡くなった時点ですぐに葬儀社へ遺体の搬送と安置を依頼することとなります。
安置場所の相談なども踏まえて、信頼できそうな葬儀社を準備しておくと良いです。
葬儀屋に来て貰えれば、その後の枕飾りの準備や僧侶の手配も代行して貰えます。
菩提寺などが把握できている場合は、安置場所と枕経が出来る時間が決まったタイミングで僧侶へ枕経の依頼もしておきます。
安置・枕飾りの設置
遺体の安置と枕飾りの設置は葬儀屋がととのえてくれます。
一般的には頭を北にした「北枕」で寝かせます。
この時、白いシーツやカバーを使用するので用意しておくとスムーズです。
他、布団を逆にするとか薄い掛け布団を使うなどいろいろありますが、地域や宗派によっても若干やり方が異なるので、依頼した葬儀社が地域・宗派に合わせて対応してくれるでしょう。
枕飾りは三具足と呼ばれる仏具を各宗教共通で設置します。
・香炉
・ろうそく立て
・花立て
この他の供え物などは地域・宗派によって異なるので、葬儀屋と僧侶と相談のうえ設置します。
枕飾りの準備が整ったら枕経に移ります。
枕経/枕勤め
故人の枕元でお坊さんに読経をあげてもらいます。
参加するのは親族・近親者のみで、このときはまだ喪服の用意は必要ありません。
おおよそ30分程度で枕経は終了します。
終了後、葬儀の打ち合わせへ
枕経が終了したら、そのまま僧侶・葬儀屋とこの後の葬儀の打ち合わせとなります。
このため、病院からの搬送・安置を依頼した葬儀社がそのまま実際の葬儀も執り行うことになるケースが多いです。
搬送・安置だけは急ぎなのでとりあえずの葬儀社に依頼し、実際の葬儀を依頼する葬儀社は安置後に検討するということも可能ではあります。
ただ、どうしても流れでそのまま依頼することになりがちですの、それを踏まえて最初の搬送段階で声をかける葬儀社を検討したいです。
とは言っても、急なタイミングでしかも病院にいる状況で葬儀社をじっくりと検討することはなかなか出来ません。
猶予があるうちに、事前相談や見積もりをとるなどの準備をしておくのがかしこい選択だと思います。
枕経Q&A
服装は?礼服・喪服は必要?
枕経の時はまだ喪服を着る必要はありません。
病院などで臨終に立ち会ってその流れで搬送→安置→枕経です。わざわざ着替えている時間もないでしょう。
もし、危篤を聞きつけて駆けつけた場合も平服での参加で構いません。
普段着の中で、故人の前で失礼に当たらない服装を選んで着ていきます。
明らかに、カジュアルやものや派手なアクセサリーは控えるようにしておく。
要は、持っている服の中でそれなりに品があって地味めな服を着れば大丈夫です。
お坊さんにお布施を渡す?
お布施ですが、一般的には枕経それ単体で渡す必要はなく、その後の通夜・葬式のときに合わせてお布施を用意します。
お車代として別途用意する場合もありますが、これは僧侶・葬儀屋に相談・確認した方がよさそうです。
枕経は必ず必要?
通常の流れであれば枕経を行います。
ただ、タイミングやスケジュールの関係ですぐに納棺・保冷しなければならない時などは枕経を省略することもあります。
この場合、通夜の歳に枕経をあわせて行うこともあります。
枕経で香典は必要ない
通常は親族のみで行われる枕経ですが、そのタイミング(通夜の前)に訃報を聞いて駆けつける方もいるかもしれません。
このときは、まだ香典の受け渡しはありません。
まとめ
必要なものの準備や段取りは葬儀屋が進めてくれますので、自分たちで何をしたらいいかわからないということは無いでしょう。
遺族が気にすべきポイントは、亡くなったタイミングで搬送を依頼する葬儀屋選びの部分にかかってきます。
搬送を依頼した葬儀屋にそのまま納棺→葬儀と依頼することになるのがほとんどです。
納得のいく葬儀が行えるよう、出来る限り事前に葬儀屋の検討をしておきましょう。