葬儀に参列する必要が突然生じたとき、多くの方が直面する問題が喪服の準備です。特に急な訃報を受けた場合、当日中や翌日までに喪服を用意しなければならない状況もあります。
このガイドでは、急ぎで喪服が必要になった方向けに、当日中に入手する方法と翌日確実に届くレンタルサービスについて詳しく解説します。実際に喪服レンタルを利用した体験も含め、各選択肢のメリット・デメリットや具体的な手順をご紹介します。
喪服レンタルは近年、利便性の高さから選ばれることが増えています。特に突然の葬儀で慌てている方にとって、必要な物が一式揃う点は大きな安心感につながります。しかし、本当に当日中に手に入れられるのか、品質やサイズ感に問題はないかなど、初めての方は不安も多いでしょう。
この記事では、**「店舗での当日受け取り」「ネット注文の翌日配送」「既製品購入」**など、状況別に最適な選択肢をご案内します。2025年4月現在の最新情報と実体験に基づき、急ぎの喪服準備をスムーズに進めるためのポイントをまとめました。
喪服を当日中に用意する方法
急な葬儀で当日中に喪服が必要になった場合、以下の3つの方法で対応できます。それぞれにメリット・デメリットがありますので、状況に応じて最適な選択をしましょう。
店舗で直接受け取れるレンタルサービス
当日受け取り可能なレンタル店舗は限られていますが、確実に喪服を入手できる手段です。
レンタル店舗の当日対応サービス:
- 東京エリアでは「礼服レンタルのやました」が北千住センターで当日受け取りに対応
- 「RENCA(れんか)」も一部店舗で当日受け取りサービスを提供
- 大阪エリアでは「喪服レンタル.com」の提携店が当日対応可能
予約から受け取りまでの流れ:
- 店舗に電話で在庫・サイズの確認(必ず事前確認が必要)
- 予約時に身長・体重・胸囲などのサイズ情報を伝える
- 受け取り時間を指定(多くの店舗は19時まで対応)
- 身分証明書と支払い方法(クレジットカードまたは現金)を用意
- 指定時間に店舗で受け取り、その場で試着可能
注意点として、当日受け取りは電話予約が必須です。ウェブサイトからの予約では通常翌日以降の対応となります。また、土日祝日は特に混雑するため、可能な限り早めに予約することをおすすめします。
スーツ専門店で即日購入する
大手スーツチェーン店での購入は、確実に当日入手できる最も確実な方法です。
即日対応可能な主要スーツ店:
- 洋服の青山:ほとんどの店舗で喪服の即日購入可能、裾上げも最短60分
- AOKI:即日購入・即日お直し対応(店舗により当日仕上げの締切時間が異なる)
- はるやま:一部店舗で即日お直しサービスあり
- コナカ:大型店舗では即日裾上げ対応
価格帯と選び方のポイント:
- 既製品の喪服は2〜3万円台の手頃な価格帯から5万円以上の高品質タイプまで幅広く展開
- 急ぎで購入する場合は、ポリエステル混合素材の喪服がシワになりにくく扱いやすい
- 夏場は通気性を考慮した「涼感加工」タイプがおすすめ
- 冬場は保温性がある「吸湿発熱」タイプが快適
購入する際の注意事項:
- 店舗での購入はネット購入より割高になりがち
- 裾上げなどのサイズ調整が必要な場合、完成まで1〜2時間かかることを考慮
- 葬儀の格式に合わせた適切な喪服を選ぶ(一般的な葬儀なら「略礼服」で十分)
- ネクタイやワイシャツなど小物類も同時に購入できるか確認
時間に余裕がある場合は翌日以降のネット購入も検討しましょう。同じ商品でも実店舗よりネットの方が10〜20%安く購入できることがあります。
知人・親族から借りる
最も手軽な方法ですが、サイズや状態などの条件が合う必要があります。
借りる際のマナーと注意点:
- 急な依頼であることを丁寧に説明し、無理のない範囲でお願いする
- 使用後は必ずクリーニングしてから返却する
- 万が一汚したり破損したりした場合は修理・買い替えの意思を伝える
- 葬儀の規模や参列者の立場に応じた適切な服装か確認する
- 借りた喪服の製造元や素材をメモしておく(トラブル時に対応しやすい)
サイズ調整のコツ:
- 肩幅とウエストが近いサイズの方から借りるのが理想
- 大きめの場合はベルトやサスペンダーで調整可能
- 女性の場合は安全ピンで要所を留めて調整できる
- ジャケットのボタンを留められるサイズであれば、多少大きくても着用可能
時間的猶予がある場合は、やはり翌日配送のレンタルサービスが費用面でも確実性の面でも最適な選択肢になります。当日どうしても間に合わない場合のみ、上記の方法を検討しましょう。
ネットの喪服レンタル(翌日確実に届く)
急な葬儀で喪服が必要になった場合、店舗で直接レンタルできない場合でも、ネットでの喪服レンタルなら翌日には確実に手元に届きます。以下で詳しく解説します。

翌日午前中までに届くレンタルサービス
ネットの喪服レンタルサービスは、16時までの注文で翌日の午前中までに配達が可能です。葬儀への参列で遠方への移動が必要な場合でも、翌日レンタル品を受け取ってから移動を開始できるので安心です。
配送時間の指定方法:
- 注文時に「午前中」「14時〜16時」などの時間帯を選択可能
- 葬儀の時間に合わせて最適な配送時間を指定できる
- 急ぎの場合は「午前中指定」が確実
地域によって最適なレンタル業者が異なります。発送地と配送先の距離が遠いと配送に時間がかかるため、以下の地域別選択がおすすめです。
- 東海・関東・東北地方:喪服レンタルやました/RENCA(発送地:新潟)
- 関西・九州地方:喪服レンタル.com(発送地:山口)
レンタルの価格とプラン比較
喪服レンタルの基本的な料金体系は、**二泊三日で4,800円〜**からとなっています。主なプランは以下の通りです。
基本セット(3点セット)の内容と価格:
- 価格:4,800円(二泊三日)
- 内容:礼服上下、ネクタイ(男性)またはアクセサリー(女性)
フルセット(8点セット)の内容と価格:
- 価格:5,800円(二泊三日)
- 内容:基本セットに加え、Yシャツ、靴、ベルト、数珠、ふくさなど
追加オプションとその費用:
- Yシャツ・ブラウス:500円〜
- 靴:500円〜1,000円
- 数珠:500円前後
- ふくさ:500円前後
レンタル期間の延長も可能です。二泊三日の標準期間を超える場合は、追加料金(1日あたり500円〜1,000円程度)で延長できます。
急な葬儀の場合、数万円をかけて急遽礼服を購入するよりも、レンタルの方が経済的です。まずはレンタルを利用し、後日じっくり選んで礼服を購入するという方法も賢明です。
必要なものが一通りセットで借りられる利点
喪服レンタルの最大の利点は、葬儀に必要なアイテムが全てセットで借りられることです。
男性向けフルセットの内容:
- 礼服(ジャケット・パンツ)
- ネクタイ(黒無地)
- Yシャツ(白)
- ベルト(黒)
- 靴(黒)
- 数珠
- ふくさ(紫または黒)
- サスペンダー
- カフスボタン
- 新品の靴下(返却不要)
女性向けフルセットの内容:
- 喪服(ジャケット・スカート/ワンピース)
- パールネックレス
- ブラウス(白)
- バッグ(黒)
- 靴(黒)
- 数珠
- ふくさ(紫または黒)
- 新品のストッキング(返却不要)
葬儀に必要な小物類も全て揃っているため、本当に何も持っていない状態でも、レンタルだけで参列できるのは大きな安心感につながります。特に急な葬儀で準備する時間がない場合には非常に便利です。
主要レンタルサービスの比較
ネットで探せる主要な喪服レンタルサービスを比較すると、基本的なサービス内容と料金はほぼ同じですが、発送地域に違いがあります。
各社のサービス内容比較:
レンタルサービス | 男性3点セット | 男性8点セット | 女性3点セット | 女性8点セット | 配送日数 |
---|---|---|---|---|---|
喪服レンタルやました/RENCA | 4,800円 | 5,800円 | 4,800円 | 5,800円 | 翌日午前中〜 |
喪服レンタル.com | 4,800円 | 5,800円 | 4,800円 | 5,800円 | 翌日午前中〜 |
発送地と配送エリアの関係:
- 喪服レンタルやました/RENCA:新潟県から発送(東海・関東・東北向け有利)
- 喪服レンタル.com:山口県から発送(関西・九州向け有利)
返却方法については、どちらのサービスも同様です:
- 付属の着払い伝票を使用して返送
- 最寄りの郵便局またはコンビニから発送可能
- 受け取り場所と異なる場所からの返却も可能
急ぎの場合は、配送先の地域と近い発送拠点を持つサービスを選ぶことで、確実に翌日に受け取れる可能性が高まります。
喪服レンタルの流れと使った感想
喪服をレンタルした流れと感想です。
レンタルの注文
今回利用したのは、やましたさん(RENCA)です。
注文方法は、ページのガイドに従えば問題なく終わります。
- 服や靴のサイズ
- 必要なオプションの選択
- 利用日(届けて欲しい日)など入力
当日中に発送完了のメールが届きます。

受け取りは東京の自宅でしたが、注文の翌日にクロネコヤマトで届きました。
喪服レンタルのセット内容
こんな感じで届きます。

汚れないようにビニールで包まれていますね。
レンタル商品はスーツなどを入れるガーメントバッグに全て入っています。

フルセットで頼んだのでいろいろはいっています。

靴・Yシャツ・数珠・ふくさ。

ベルト・靴下・ネクタイ・サスペンダー・シャツの袖を止めるやつ。
ソックスだけ新品のものが届きます。
礼服はこんな感じです。

普通にまともなスーツ(礼服)です。
一応、裏地はこんな感じです。

ズボンはアジャストつきのタイプでした。

多少のウェストサイズの調整は問題なさそうですね。

靴はシンプルな黒。
少し革が柔らかくなってる感じはしましたが、目立った傷やすり減りも無かったので許容内だと思います。
喪服レンタルの返却
使用後は受取時と同じように、バッグの中に全て戻して返却します。
付属してくるビニール袋に入れて、ゆうパックの伝票を貼って送ります。
※着払い用の伝票も付属して入っているので、貼るだけです
郵便局かコンビニで発送できます。
僕の場合は、受け取ったあとに地元に帰省して葬儀に参列しましたので、そのまま地元から発送して問題ありませんでした。

受け取りと返却が別の場所から行えるのはありがたいですね。
レンタルのサイズ感は問題ないか
レンタルであっても自分のサイズをしっかり選べればサイズ感も大丈夫です。
結局は既成品ですので、レンタルしようが購入しようが体へのフィット具合は同じですよね。
もちろんオーダーメイドのようには行きませんが、普通に既成品の中で一番自分の体型に合うものを購入するのと同じ感覚で着られます。
個人的に気になったところと言えば、若干パンツが太かったかなというところ。
誰でも着られるように、ある程度の余裕をもたせたもの(調整の幅があるもの)が届くのかもしれません。
ズボンの裾もそのままで着られました。
二泊三日で十分5800円分の仕事はしてくれたと感じています。
急ぎの喪服レンタルQ&A
- 当日中に絶対に喪服が必要な場合の最終手段
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当日中に喪服が絶対に必要になった場合の対処法:
- 大型ショッピングモールの探索:イオンや大型ショッピングモールでは、フォーマルウェアコーナーが設置されている場合があります
- デパートの活用:大手百貨店の紳士服・婦人服売り場では、急な対応が可能なケースがあります
- 24時間営業の礼服専門店:大都市圏では24時間対応の礼服専門店が存在することもあります
- タクシーでの店舗巡り:時間がない場合は、タクシーで複数の店舗を効率的に回るのも一つの方法です
- 前倒しで現地入り:葬儀会場近くのホテルに前泊し、翌朝早くに現地のレンタル店やスーツ店を訪問する
どうしても間に合わない場合は、黒いスーツに黒いネクタイという一般的なダークスーツでの参列も、突然の不幸では許容されることが多いです。その場合は、受付や焼香など目立つ役割は避け、静かに参列するようにしましょう。
- サイズが合わなかった場合の対応
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レンタルした喪服のサイズが合わなかった場合の対処法:
- アジャスター付きズボン:多くのレンタル喪服のズボンにはアジャスター(ウエスト調整機能)が付いており、数センチの調整が可能です
- サスペンダーの活用:男性の場合、サスペンダー(通常セットに含まれる)を使えば、ウエストがやや大きくても対応できます
- ジャケットのボタン:きつい場合は下のボタンを留めないなどの対応が可能です
- 緊急時のクリップ活用:女性の場合、スカートやジャケットの内側をクリップで留めるという応急処置も可能です
- 靴のサイズ調整:靴のサイズが合わない場合は、市販のインソールや中敷きで調整することができます
レンタル会社への電話での相談も検討しましょう。多くの場合、対応策を提案してくれます。
- 支払い方法と料金に関するよくある質問
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支払い方法と料金についての疑問:
- 支払い方法:クレジットカード、代金引換、銀行振込が一般的です。特に急ぎの場合はクレジットカード決済が即時反映されるため最適です
- 追加料金の有無:基本的に表示価格以外の追加料金はありませんが、返却が遅れると1日あたり500円〜1,000円の延長料金が発生します
- 汚損・破損時の対応:通常の使用による多少の汚れは問題ありませんが、明らかな破損や著しい汚れの場合は、修理費用や場合によっては商品代金を請求される可能性があります
- キャンセル料:出荷前のキャンセルは無料の場合が多いですが、出荷後のキャンセルは配送料や手数料が発生することがあります
- 保証金(デポジット):一部のサービスでは、保証金として数千円を預け、返却時に問題がなければ返金される仕組みがあります
急ぎであっても、必ず利用規約を確認することをおすすめします。特に返却期限と延長料金については事前に把握しておくことが重要です。
喪服レンタルまとめ
喪服が急に必要になった場合の選択肢は、時間的余裕によって異なります。
当日中に必要な場合は、店舗での直接レンタルか既製品の購入が最も確実です。特に大都市であれば専門店やデパートの利用も可能でしょう。翌日までに必要な場合は、ネットでの宅配レンタルが最適解です。
16時までに注文すれば翌日午前中には受け取れる利便性と、必要な小物まですべてセットで借りられる安心感があります。どの選択肢を取るにしても、「焦らず状況に応じた最適な選択をする」ことが重要です。
葬儀という精神的に負担のある時だからこそ、レンタルサービスを上手に活用して、故人を送る大切な時間に集中できるようにしましょう。
