通夜から葬儀・告別式までの間で、喪主として挨拶をするべきタイミングと例文を時系列順で紹介します。
基本的なパターンは同じですが、喪主・代表者の故人との関係、故人のエピソードの部分を照らし合わせて参考にしていただければと思います。
通夜の日の喪主挨拶
世話係・お手伝いの人への挨拶
世話係やお手伝いの人を迎えるときのあいさつです。
僧侶を迎える挨拶
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
(控室はこちらでございます。)
参列者への挨拶
参列者のあいさつは手短にすませます。
通夜終了の挨拶
僧侶による読経・参列者の焼香が済んだら通夜ぶるまいへ移ります。
通夜終了時、祭壇前に立ち、参列者に対してあいさつをします。
- 弔問のお礼
- 生前のお礼
- 故人のエピソード
などを踏まえて挨拶します。
【故人】は、持病の○○のため入院しておりましたが、昨日○時○分に息を引き取りました。享年○歳でございました。
まだ、長生きしてほしかったという思いはありますが、最近まで趣味の○○を楽しみ、幸せな人生だったと存じております。
皆様の生前のご厚誼(こうぎ)に、深く感謝申し上げます。
なお、葬儀・告別式は、明日午前○時より、この斎場でとり行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日はまことにありがとうございました。
この後の通夜ぶるまいへの案内を含めてもかまいません。
通夜ぶるまいの挨拶
通夜ぶるまいの席で起立してあいさつします。
【故人】もさぞ喜んでいることと存じます。
では、ささやかな席ではございますが、始めることにいたしましょう。
○○さん、献杯のご挨拶をお願いできますでしょうか。
通夜ぶるまい終了の挨拶
締めのあいさつです。
ご遠方の方もいらっしゃいますので、この辺りで終了とさせて頂きます。
なお明日の葬儀・告別式は○時からこの斎場で行います。ご都合が付きましたらご会葬いただければと存じます。
どうぞ足元に気をつけてお帰り下さい。本日は誠に有り難うございました。
葬儀・告別式の挨拶
僧侶への挨拶
本日もどうぞよろしくお願いいたします。
葬儀・告別式終了の挨拶
火葬場へ向けての出棺時、参列者に対してあいさつをします。
実はここ数年〇〇して過ごしておりましたが、一昨日○時○分、眠るように息を引き取りました。享年○歳でございました。
在職中は仕事一筋だった【故人】ですが、退職後は○○と言う趣味を得て楽しんでおりました。
たくさんの仲間の方にも恵まれ、充実した人生だったのではないかと気持ちを慰めております。
これもひとえに、皆様のご厚情のおかげと、深く感謝しております。
残された私どもに対しましても、変わらぬご指導ご厚誼を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日は最後までご丁寧な見送りをいただき、誠に有り難うございました。
僧侶にお布施を渡す
一般的に環骨法要終了後に行う。
こちらは、私どもの気持ちでございます。
精進落としの本体の意味は「精進料理から通常の食事に戻すこと」です。
還骨法要後の会食(精進落とし)での挨拶
おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました。【故人】もさぞ感謝していることと存じます。
ささやかではございますが、皆様への感謝の一席を設けました。どうぞごゆっくりおくつろぎになってお過ごしいただければと存じます。
○○さん、献杯のご発声をお願いできますでしょうか。
会食終了の挨拶
締め・お開きの挨拶です。
法要の日時が決まっている場合は合わせて案内します。
席上、私どもも知らなかった【故人】の話なども伺うことができまして感無量です。まだ思い出話を伺いたいところですが、あまり長くお引き留めしてもご迷惑と存じまして、この辺で終了とさせていただきます。
なお、49日法要は○月○日を予定しております。
どうか、今後ともよろしくお願い申し上げます。
本日は誠に有り難うございました。
挨拶で使えない忌み言葉・禁句
葬儀・葬式で使ってはいけないとされる言葉です。
忌み言葉を気にかける方もいらっしゃいますので、喪主・遺族代表としてはこういうマナーが存在することを理解しておきましょう。
不吉な言葉・縁起の悪い数字
- 浮かばれない
- 迷う
- 4
- 9
重ね言葉
- 重ね重ね
- たびたび
- またまた
- ますます
- いよいよ
不幸が続く・繰り返すことを連想させる言葉
- 再び
- 続く
- 引き続き
- 次に
- また
直接的な生死に関わる表現
- 死亡
- 死去
- 生きる
- 急死
- 存命
宗教・宗派によって使える表現が変わる
忌み言葉とされるものはありますが、宗教や宗派によって使えない表現が異なります。
日本の葬儀で使われる表現は仏教用語が多いです。
「大往生」「成仏」「供養」「合掌」「冥福」「極楽浄土」などは仏教用語なので、仏教以外の葬儀では使われません。
「天国」「空の上から見守って・・」はキリスト教の思想なので、仏教の葬儀にはふさわしくありません。
- キリスト教→天国から見守ってください
- 仏教→ご浄土よりご照覧ください
喪主代行・代理で挨拶する場合
事情により、喪主の代理として挨拶をまかせられる場合もあります。
その際は、「喪主に変わって挨拶する旨とその理由」と「自身の立場の自己紹介」を加えて挨拶を行います。
葬儀の挨拶まとめ
葬儀における挨拶は、個人に代わって参列者へ感謝を伝えるのが目的です。
念の為、挨拶文は書面で用意しておき、必要であれば見ながらあいさつしてもかまいません。
焦らずゆっくりと、気持ちを伝えることを第一に挨拶を行いましょう。
挨拶文を紹介しましたが、しっかりと挨拶を検討したい場合は実例を集めた書籍も販売されているので活用してください。
初めてのことで行き届きませんが、どうぞよろしくお願いいたします。